洗練されたチルタイムが過ごせる〈THE GOOD HOUR PARK〉
粟島は隆起した山によってできた島で、集落は東側の〈内浦(うちうら)〉と西側の〈釜谷(かまや)〉の2つしかありません。
港が直結した内浦集落は民宿が並び、観光と生活が一体となっている印象です。民宿を横目に海岸線に沿って南下すると、内浦海水浴場に着きます。整備された海水浴場はプールのように穏やかで家族連れでも安心。公衆トイレやシャワーも完備してあるため、海水浴のあとも気持ちよく過ごすことができます。

この夏、内浦海水浴場近くにビーチパークができたと聞き、立ち寄ってみました。大漁旗をリメイクしたガーランドをくぐり、連なる小さなライトに誘われ、やって来たのは〈THE GOOD HOUR PARK(ザ・グッド・アワー・パーク)〉です。


どんな思いでこのビーチパークをつくったのだろう。オーナーのイイダタクヤさんに聞いてみました。

「僕は新潟出身で、粟島には家族旅行で何度か来ていました。上京後も、奄美大島や小笠原諸島など、いろいろな島に遊びに行きました。それぞれいいんですけど、“やっぱり粟島が好きだ”って気持ちがずっと心の底にあったんですよね。それに、もっと魅力を伝えられる、とも思ったんです。
粟島といえば海の幸ですけど、ずっと続くとやっぱり肉も食べたくなるじゃないですか。島にはコンビニもないですし、バーベキューの食材が切れて困ることもある。そんなときに、食材や薪を売ったり、キャンプ道具を貸し出したりする場所をつくりたいと思ったんです」


いろいろな島を知っているイイダさんだからこそ、粟島が持つシンプルな魅力にたどりついたようです。
「粟島の魅力って、このコンパクトさだと思うんです。港とまちが直結している島って実はなかなかない。粟島なら船が着いたら歩いてここまで来られますから、船上から飲んでパーティ始めちゃうことも可能なんですよ(笑)」

いまも東京に会社を持ち、東京・新潟市・粟島の三拠点生活だというイイダさん。外からの視点を持って、これからの粟島をもっとおもしろくしてくれそうです。

Information

今回の宿は民宿〈みなとや〉。親子2代で営まれている食事にこだわった素朴な宿です。夕食はお刺身に、焼き魚、煮魚、みそ汁はお頭入り、とお魚づくし! やっぱり島旅といえばおいしいいお魚三昧なのです。
Information


粟島のディープな夜を感じたければスナックへ
船着き場の2階にある〈レストラン憩(いこい)〉は、夜になるとスナックに早変わり。となりになったおじさんにお酒や餃子をごちそうになって、最終的には肩を組んでカラオケを唱い、一夜の親睦を深めました。

Information
credit text:コヤナギユウ photo:斎藤隆悟