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村上市食/ごはん2022.11.09

日本最北の茶畑が新潟に。香り高くまろやかな〈村上茶〉

「#新潟のコメジルシ=新潟のいいところ」ってどんなところ? 
「だから新潟!」と、新潟を選びたくなるいろんな理由を新潟の人たちに聞いてみました。

飯島剛志 さん

飯島剛志 さん
村上市出身。冨士美園株式会社 代表取締役(六代目)。高校卒業後に地元を離れ上京。東京で浪人生活を行っていたところ、父が脱サラをして冨士美園を継ぐことになったため、自身も父の経営を助けるために茶業の道へと進むことを決意する。最近の趣味はカフェ巡り。自社で経営している日本茶カフェ〈茶寮カネエイ〉のメニューの参考のために、休日はさまざまな店へと足を運んでいる。

https://www.instagram.com/fujimien_kaneei/ 
http://www.fujimien.jp/

積雪のある地域で唯一の茶産地・村上市

私は現在、新潟県村上市にある〈冨士美園〉というお茶屋で、村上茶の栽培、製造、販売を行っています。

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新潟県内では茶産地と言えば村上ですが、実は積雪のある地域で茶産地と言われているのは村上だけ。商業的なお茶の産地としては全国で一番北に位置しているため、〈北限の茶処〉と呼ばれています。昔は村上より北の地域でもお茶の栽培を行っていましたが、本来、お茶は雪の降る地域での栽培には適さない植物。農作物としてあまり生産量が取れないため、北の地域のお茶は次第に姿を消していきました。

そんな中で村上が茶産地として残った理由は、枝が折れるか折れないかのちょうどいい積雪量にあります。日本海側にある村上は、冬になると海から強い風が吹きますが、茶畑に雪が覆い被さることにより、寒風からお茶の葉を守ってくれるのです。また、雪の下は気温がマイナスにはなりません。こういった環境条件が重なり、村上は茶産地として生き残ってきました。

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さらにそのような環境により、村上のお茶は美味しく成長します。お茶は、葉に太陽の光が当たることにより渋みの成分が作られます。そのため、年間を通して日射量が少なく、冬は雪が積もる村上の地域のお茶は、渋みが少なく甘みの強い、香り高いお茶になります。

雪の下で育つお茶は、世界的にも稀。その年の積雪量によって雪の重みで折れてしまう枝の量が違うので「今年はどのくらい収穫できるかな」と雪解けの時期は少しハラハラしますが、ここでしか作れない味があると、誇りを持って栽培しています。

ペットボトルやティーバッグ…気軽に楽しめる村上茶

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近年、急須で淹れたお茶を飲む人は少ないと思いますが、ペットボトルやティーバッグ、パウダーなど、さまざまな飲み方で楽しむことができます。村上茶もそのような製品が増えてきているので、老若男女全ての方に、気軽に飲んでいただけると嬉しいですね。

村上茶は2020年、茶が栽培されて400年を迎えました。この歴史ある村上茶を栽培できることを誇りに思います。これからもその魅力をより多くの人に伝えるべく、日々仕事に励んでいきたいです。


編集部コメント

村上茶は私も何度も飲んだことがありますが、その香り高さとまろやかさには毎回驚きます。仕事の合間や休日に家でゆっくりしているときなど、ほっと一息つきたいときに村上茶をいただくと、とてもリラックスできます。贈り物にもぴったり。冨士美園さんが経営する日本茶カフェ〈茶寮カネエイ〉さんにも今度訪れてみたいです。(齋藤)