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糸魚川市風/ふうど2023.01.31

神輿と神輿のぶつかり合い!?
〈糸魚川けんか祭り〉

「#新潟のコメジルシ=新潟のいいところ」ってどんなところ? 
「だから新潟!」と、新潟を選びたくなるいろんな理由を新潟の人たちに聞いてみました。

今回は、第2回コメジルシ編集会議に参加いただいた、学生団体〈アイル〉の小竹さんが思う「#新潟のコメジルシ」記事が公開! 第2回コメジルシ編集会議の様子は、こちらからご覧ください。
▶︎https://www.instagram.com/tv/CjCz3sZKBic/

小竹遥菜 さん

小竹遥菜 さん
新潟県糸魚川市出身。新潟県立大学国際地域学部2年生。新潟の学生の背中をポンっと押せるような記事を発信するウェブメディア〈アイル〉のライター。新潟県で活躍する様々な人から刺激を受け、それを多くの人に発信したいという思いから2022年1月よりアイルに参加。新潟県の各地に積極的に出向き、美味しいものをたくさん食べることや、歌を歌うこと、動画編集をすることが好き。

https://airuniigata.com/

自然と暮らす街だからこそ生まれた祭りの形

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上越地方に位置する私の地元・糸魚川市は、日本を東西に分けるフォッサマグナがあることや、国石であり、先日“新潟県の石”にも選ばれたヒスイ文化発祥の地であることから、ユネスコ世界ジオパークに認定されました。

そんな糸魚川市の天津神社には、〈糸魚川けんか祭り〉というユニークな祭りが存在します。この祭りでは、豊漁と豊作を祈るために、糸魚川市の押上区と寺町区の若者が、それぞれの神輿を担ぎ、神社の境内を回りながら、10回前後激しくぶつかり合います。この様子から“けんか祭り”という名が付けられました。私自身、何度も見に行ったことがありますが、4月というまだ少し肌寒い季節にも関わらず、人々の熱気や神輿同士がぶつかり合う迫力がもの凄かったことを鮮明に覚えています。

また、祭りが開催される4月10日の午後及び、4月11日の午後には国の重要無形民俗文化財の一つに指定されている舞楽が奉納されます。このように同じ祭りでも、境内の雰囲気が「動」から「静」へと移り変わる様子も人々の楽しみのひとつになっています。

コミュニティ内のつながりを再認識できる場

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残念ながら、私の家族には神輿や舞楽に参加する人がいなかったのですが、私の友人は、事前に有料の桟敷席を予約し、家族総出で応援していました。私もそこに何度かお邪魔したことがあります。

また、私が通った小学校は寺町区に位置していたため、参加者が塩分を補給できるように、学年全体で梅干しを作り、会場で配布していました。他にも、校外学習の一環として〈糸魚川けんか祭り〉について学ぶ機会がありました。
このように、祭りの開催にあたって、神輿や舞楽に参加する人だけでなく、地域一丸となって祭りを支えることも、この祭りの特徴です。

〈糸魚川けんか祭り〉が伝統ある祭りになったのは、糸魚川の人々が地元を愛し、地域のつながりを大切にしてきたからだと思います。そのような人々のぬくもりは普段から感じることができ、私も学生時代の登下校のときに、地域の方から「いってらっしゃい」「おかえり」とよく声をかけてもらいました。

近年、新型コロナウイルスの影響で祭りは実施できていませんが、再びあの歓声が聞ける日を心待ちにしています。

(画像提供:糸魚川市観光協会)


編集部コメント

糸魚川市と聞くと、カニなどの海産物やヒスイを思い浮かべる方も多いと思います。私自身も、糸魚川に行くと、必ずといっていいほど海の幸を堪能したり、海岸に行ってはヒスイを探したりすることが多いです。しかし、小竹さんの記事を読んでみて、こんなに素敵な伝統行事があることを初めて知りました。記事に登場する「天津神社」は、新潟県内でも由緒ある神社の一つのようです。また、地元の人にとって〈糸魚川けんか祭り〉は、地域の象徴であり地域の一大行事として、長く守り続けられてきたのではと感じています。(小日山)