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三条市風/ふうど2023.02.16

アウトドアアクティビティだけじゃない! 三条市下田地域の“人”の魅力

「#新潟のコメジルシ=新潟のいいところ」ってどんなところ? 
「だから新潟!」と、新潟を選びたくなるいろんな理由を新潟の人たちに聞いてみました。

今回は、第2回コメジルシ編集会議に参加いただいた、学生団体〈アイル〉の横田さんが思う「#新潟のコメジルシ」記事が公開! 第2回コメジルシ編集会議の様子は、こちらからご覧ください。
▶︎https://www.instagram.com/tv/CjCz3sZKBic/

横田結子 さん

横田結子 さん
新潟県三条市在住。新潟県立大学国際経済学部2年生。新潟の学生を応援する記事を発信するウェブメディア〈アイル〉編集長。高校時代は読者の一人で、アイルをモチベーションに、県内の大学に進学したいという目標に励んでいた。ここしばらくの好きな食べ物は、クイニーアマン。

https://airuniigata.com/

子どもにとっても大人にとっても大切な伝統行事〈稲の虫送り〉

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私の住む三条市下田(しただ)地区は、三条市の東部、福島県との県境に位置し、面積の7割を山村が占めるとても自然豊かな地域です。その大自然からキャンプや登山など、アウトドアアクティビティを体験しに訪れる観光客も少なくありません。

そんな下田では水稲栽培が深く根ざしており、古くから伝わる〈稲の虫送り〉があります。梅雨の時期に発生する害虫である“ウンカ”を駆除し、稲の豊作を祈って、7月中旬に行われる伝統行事です。昔は、夜に松明を持って田んぼ道を歩き、火の光に虫を集めることで稲につく害虫を払っていたそうです。今ではその伝統が簡略化され、子ども達が飾り付けした笹で稲を撫でながら集落を一周するというのが通例になっています。

このイベントの楽しみはまだ他にも。
地域の集会場に集まって、夕食を食べたり花火を楽しんだりします。子ども達にとってはなかなか機会のない、地区内のお友達の夕食を食べる機会。大人にとってはお酒を飲みながら、近況報告や日々の疲れをねぎらう機会にもなっています。小さい頃、回覧板等での開催の知らせに「早くやりたい!」と、このイベントならではのワクワク感があったことを今でも覚えています。

地域の方々の思いに触れることのできる場所

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下田の人口は1万人に満たないため、どんなことを決めるにも住民一人ひとりの影響が大きい地域です。私は下田で生まれ育って20年。コミュニケーションが本当に大切で、こういったイベントが住民の仲を深める機会になっているのだなと、まだまだ半人前ながらに感じます。

ここではどこに行くのにも車が必要で、都会のような賑わいや発展は少ないかもしれません。不便なことももちろんあります。だけれど、だからこそ地域の方々にお互いを思う気持ちがあって、自分自身も誰かを思いたくなる地域です。

また、下田には暮らしや食文化、遊びなど様々な分野で「ファンを増やしたい」という想いのもと、エネルギッシュに活動されている方がたくさんいらっしゃいます。私もそういった方に負けないよう、まだまだ発見できていない県内の魅力を知り、アイルの活動を通して、下田や新潟県のファンを増やせる記事を発信していきたいです。


編集部コメント

三条市下田地域といえば、登山やキャンプを楽しめる地域というイメージが強いと思います。しかし、〈稲の虫送り〉という、米どころらしい素敵な伝統行事が息づいていることに、感動を覚えました。また、横田さんのお話を聞いていくと、稲の虫送りが伝統行事の枠を超えた、地域の一大イベントなのではと感じています。老若男女問わず集会所に集い、一緒にご飯を食べ、世間話で盛り上がる光景は、今となっては貴重な時間だと思います。地域の伝統行事は、ずっと守っていきたいものです。(小日山)