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村上市食/ごはん2023.03.27

日本全土に誇れる美味しさの村上牛・岩船米が育つ最高の土地

「#新潟のコメジルシ=新潟のいいところ」ってどんなところ? 
「だから新潟!」と、新潟を選びたくなるいろんな理由を新潟の人たちに聞いてみました。

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時田卓 さん
村上市(旧荒川町)出身。新潟県農業大学校の畜産科肉用牛専攻科(現:畜産経営科)に進学し農業について学ぶが、卒業後はトラックの長距離ドライバーとして約20年ほど働く。約10年前、家業を継ぐ為に会社を退職し、兄弟3人で農業法人〈合同会社アグリフロンティア〉を設立。現在は同社の代表として、黒毛和牛の一貫経営と稲作を行っている。また、〈にいがた和牛〉の生産者の中で特に優れた技術をもつ生産者として県が認定する〈にいがた和牛肥育名人〉にも選出。にいがた和牛全体の品質向上のため、その技術を県内生産者に伝授している。

畜産農家に生まれたものの、嫌いだった農業。

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私は村上市の和牛肥育農家(和牛を育てて食肉として出荷している農家)に生まれ、男兄弟の三男坊として育ちました。農家に生まれた宿命か、小さな頃から登校前や休みの日に家の手伝いをするのは当たり前。そんな生活に理不尽さを感じて、農業が大嫌いでした。

そのため、将来は好きだった車に関する仕事がしたいと、機械系の高校に進学しようと思っていました。ですが、父がどうしても願書にハンコを押してくれず。仕方なく、新潟県農業大学校の畜産科肉用牛専攻科(現:畜産経営科)に進学。農業についてみっちり学んだものの、やはり「農業を仕事にしたい」という思いには至らず、卒業後はトラック運転手として働き始めました。

トラック運転手として20年ほど働いた頃、実家の跡継ぎの話に。他の兄弟はすでに別の農業系の仕事に就いており、職を変えられなかったため、父の跡を継げるのは私くらいでした。こうして、いきなり農家へ転身。父から受け継いだ村上牛や岩船米を育てることになりました。

初めて気づいた農業の楽しさ、地元への誇り

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実際に農家として働いてみて、今まで父が簡単に行っているように見えた「農業」の大変さを実感します。牛は1頭1頭性格が違いますし、何か起きた時の反応もさまざまです。教科書にないことばかりの出来事が起こり、しかも365日休みなし、という過酷な世界。しかし、やった分だけ結果が返ってくる農業に、次第に楽しさとやりがいを見出すようになりました。

そして、こんなにも美味しい村上牛や岩船米が育つ村上市のことも誇りに思うようになります。実は、美味しい牛を育てるためには、お米を刈った後の稲藁を好きなだけ食べさせることが大事。お米を多く育てているこの地域は、稲藁が十分に確保できます。また、村上市には荒川東風(あらかわだし)と言われる季節風が吹きます。それが吹くことで、刈った後の稲藁がすぐ乾くため、田んぼに残った水で腐ってしまうのを防ぐことができるのです。美味しい牛を育てるための、これ以上ない環境が実はこの村上市には揃っているんです。

新潟に牛肉愛好文化を作りたい

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今年で、村上牛という品種が生まれて35年目になります。村上牛を立ち上げた、自分の一つ前の世代はそろそろ引退の時期になり、2代目となる人材が必要とされていますが、後継者がいない。そのため、牛の数もどんどん減っています。5年後10年後には、村上牛は無くなってしまうのではとも言われています。美味しい牛を育てるのにこんなに適した地域でせっかく作ったこのブランドを、潰したくはありません。

一方で最近では、農業関係者に若い人も増えたように思います。新しいアイディアを持っている若い人たちと一緒に農業について考えていくことがとてもおもしろいですし、希望を感じます。これからを担う世代と共に、新潟に牛肉を好む文化を作っていければ嬉しいです。

村上牛のようなブランド牛は毎日は食べられないですよね。もちろんそれでいいんです。ただ、日々の食事の中で新潟の牛肉を食べる習慣を少し増やしたり、ちょっと特別な日なんかには、村上牛を食べる選択肢をもっていただけると嬉しいなと思います。
皆さん、牛肉はとってもおいしいですよ!

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編集部コメント

新潟に住み始めてから村上牛は何度も食べたことがありますが、このお話を聞いたあとだと、より牛肉が味わい深くなりそうです。村上市の土地・環境の素晴らしさによって、こんなにおいしいお肉が育つのですね。ただ、確かにお隣の山形県は牛肉をよく食べる文化があるような気がしますが、新潟はそうでもない気も…? 新潟県民の皆さん、牛肉をもっと食べましょう!(齋藤)