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三条市燕市技/わざ2023.10.25

世界に誇れる技術で人と人をつなぐ。燕三条地域のものづくり

「#新潟のコメジルシ=新潟のいいところ」ってどんなところ? 
「だから新潟!」と、新潟を選びたくなるいろんな理由を新潟の人たちに聞いてみました。

齋藤和也 さん

齋藤和也 さん
三条市出身、三条市在住。高校卒業後、2007年に家業のプレス・機械加工を主軸に金属加工を行うメーカー工場〈有限会社ストカ〉に入社。同社で専務を務めながら、2020年に人と工場、企業と工場を繋ぎ、燕三条でのものづくりをサポートする〈株式会社ドッツアンドラインズ〉を立ち上げ、代表取締役を務める。趣味はワンピースを読むこと。燕三条の海賊王になることが夢。

https://twitter.com/sutokakazuya
https://twitter.com/tsubamesanjojp

約400年続く、燕三条のものづくりと歴史

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今でこそ金属加工で名が知れている燕三条地域、実はその歴史が始まったのは江戸時代。もともとは、農業が盛んな地域だったものの大規模な水害に見舞われ、農業が再開できない。それならばと和釘を作ったのが始まりです。それから約400年、金属加工を中心としたものづくりの歴史を紡いできました。

私はそんな燕三条で生まれ育ち、現在はものづくりをしたい人と技術をもつ企業を繋げ、誰かの“作りたい”を形にする会社を経営しています。

燕三条地域にあるほとんどの会社が分業体制。プレス工場でプレスをして、金型屋で金型を作って……など、ひとつの会社でものづくりが完結することはほとんどありません。そのため、燕三条地域の人、とくに経営者同士はつながりが強い。皆さん、人助け精神が強くて面倒見のよい人たちが多く、この地域の魅力だと思います。

「燕三条のものづくり」に日本中、世界中から人が集う
〈燕三条 工場の祭典〉

燕三条地域は、他にも産業観光が盛んな地域です。有名なのが〈燕三条 工場の祭典〉。「燕三条は、工場で、人を繋げる」をコンセプトに、普段は閉ざされているものづくりの現場と工場を解放。その様子を現地見学したり、実際にものづくり体験ができたりするイベントです。

2013年から毎年開催され、私は2019年から〈燕三条 工場の祭典〉の実行委員長を務めてきました。来場者数は10年間で約27万人にのぼります。

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加えて、〈燕三条 工場の祭典〉は2014年からパリ、ロンドンといった展覧会に出展し、海外での認知拡大につながっています。私も実際に現場に訪れ、燕三条のものづくりは世界でも通用すると肌で実感。燕三条のものづくりを通して、世界の人とも繋がれると確信した瞬間でした。

ものづくりの可能性を次世代に伝える

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工場は現在、職人さんたちの高齢化や後継者・働き手不足による廃業、経営の悪化が深刻です。製造業は未だに、「きつい」「汚い」「危険」という負のイメージを持たれがち。過去に、私が地元の小学生に将来やりたいことを聞いたら、誰ひとり「ものづくり」とは言いませんでした。

しかし、燕三条のものづくりは世界にも通用する技術を誇り、人と人をつなげる力を秘めています。実際、私は燕三条のものづくりをきっかけとし、著名YouTuberとコラボをして動画出演したり、有名アーティストと野外音楽フェスを企画し、実行できたりしています。これは、自分がものづくりに関わっていなかったらできなかったこと。ものづくりには、こんな可能性もあると次世代に伝えていきたいですね。

燕三条地域はさらに、新幹線や高速道路があって交通の便が良いし、ショッピングができる場所もあります。よほど欲張らなければ住みやすいまちです。なんといっても食べ物がめちゃくちゃ美味しい。お腹を空かせた職人さんたちも満足できる、燕三条ならではの味を堪能してほしいです。

燕三条地域にまだ来たことのない人は、一度訪れてみませんか? 困ったら僕にご連絡ください。どんな人でも受け入れます。話を聞きつつ、缶コーヒーくらいならご馳走しますよ。


編集部コメント

齋藤さんのお話から燕三条のものづくりの可能性を知ることができたとともに、新潟人として燕三条地域のことを改めて誇りに思いました。記事の中でも紹介があった〈燕三条 工場の祭典〉の本年度の開催日は10/26(木)から29(日)まで。また、野外音楽フェス〈Tsubamesanjo, Japan Fes.〉は10/28(土)に開催されます。皆さん、これをきっかけに、世界に通用する燕三条のものづくりを実際に体感してみては?(齋藤)