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暮/くらし2020.10.09

雪国のお互いさま精神のたまもの〈雁木〉
〜cocolaさんが感じる
新潟の「当たり前」〜

新潟県民にとっては「当たり前」でも全国的に見ると全然当たり前じゃないことってたくさんあるはず! そんな新潟の魅力を、新潟県に縁のある方に聞いてみました。

cocolaさん
cocola

にいがた当たり前品質100・選者
cocolaさん

新潟県南部の上越エリア(上越市、妙高市、糸魚川市、柏崎市)で97,000部発行する月刊フリーペーパー。「ここら」とは、「ここらへん」という意味の方言のこと。「地元の声を載せたい」との想いから名付けました。東京の出版社が作るような情報紙は私たちにはもちろん作れません。その代わり、地元のいいところ、困ったところを読者といっしょに発見してにいがた上越ライフを楽しんでいけたらと思っています。

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雁木
雁木とは、表通り沿いに立ち並ぶ町家の前面にある屋根付きの通路。それぞれの町家所有者の負担で建てられています。

雨や雪、夏の日差しもよけられる、風情のある雁木

雪が積もった雁木

雁木を歩けばわかります。雪や雨はもちろん、夏の日差しもよけられるありがたさ。そしてなにより、風情があっていいんですよね。特に小学生の通学路としては安全だし、傘もささずに済むので子どもにも大人気です。

昔は、雁木の屋根の裏に雪下ろしのときに使う「樋(とい)」(雪の滑り台)を保管していました。しかし、今は樋を必要とするような雪も降らないので雁木の必要性もますます薄くなってきているのでしょうね。

とはいえ、雁木関連のNPO団体もいくつかあり、改築や再建には市から補助金も出るようになりました。

雁木は個人のものですが、まち全体で残して行こうという動きは活発です。私自身も数年前まで雁木町家の住人でした。私は雁木の匂いが大好きです。朝夕に感じるので住んでみないとわからない匂いなんですよね。

雁木を歩く子どもたち

上越市の雁木は総長12.8㎞と、日本一の長さ。雁木町家の通りには世界最古級の映画館や、築100年級の町家をリノベーションしたオフィス、レストランなどもあります。お店の古い看板を見て歩くだけでも楽しいですよ。

【編集部からひと言】
先人の知恵がたくさん詰まった雁木

高田駅周辺に長く続く雁木。「雪や雨、夏の日差しを避けるためのもの」ということは、なんとなくわかりますが、屋根裏には雪下しに使う道具までしまってあったなんて知りませんでした! 昔の人の知恵がたくさん詰まった雁木。これからも続いてほしいものですね。