全国3位の温泉地数を
誇る新潟で、
温泉が身近にある
暮らしを楽しむ
新潟県民にとっては「当たり前」でも全国的に見ると全然当たり前じゃないことってたくさんあるはず! そんな新潟の魅力を、新潟県に縁のある方に聞いてみました。
暮らしの一部になっている
温泉の文化
全国3位の温泉地数を誇る温泉県でもある、新潟県。
生活圏内に温泉や銭湯があり、暮らしの一部に温泉文化が根付いています。
湯沢町では月2,000円で町営の5つの温泉に入り放題。会員登録料3,000円を払えば、町民以外も使える制度です。しかも「75歳以上の町民は無料」という他ではあまりない金額で温泉に入ることができる地域です。
私が働いている江神温泉共同浴場でも地元のお客さんが多く利用されます。毎日外に温泉に入りにいく文化があり、今でも家にお風呂がない家庭が普通にあったりするので驚きです。
それだけ生活に根差しているからなのか、毎日来る人の中にはお風呂場でしか会わない人たちも。一種のコミュニティのように地域の情報を共有し合ったり、時には愚痴を言い合ったりと、楽しそうにしている声がよく聞こえてきます。お風呂にいると、なぜか家族や友達には話せないことも話せてしまう。そんな効果があると思っています。いつもよりもちょっと深い話ができる場所でもあるからこそ、町の人はお風呂屋に集まってくるのかもしれないですね。
私が思う温泉の良さは、幅広い世代の方々が一緒に楽しめるコンテンツだということ。小さな子どもからお年寄りまで同時に気軽に楽しむことができるというのは、世の中にはあまりないと思います。
また、住民の生活の一部でありながらも観光としての温泉地の側面もあるので、地元の人と観光客が入り混じる時も多々あります。お風呂を通じて自然と両者の交流が始まったりするのは、温泉地ならではかもしれませんね。
毎日、風呂掃除や番頭準備など大変なこともありますが、お客さんから「今日もいいお風呂だった。気持ちよかった」とか「いつも綺麗に掃除してくれてありがとう」など声をかけてもらえると、疲れも吹き飛びますよ。そんな声を聞くとこちらも頑張ろうと思えますし、もっとよりよくするためにはどうしたらいいか考えるモチベーションにもなっています。
あと、来店時には疲れた顔をしていた人がお店から出る時にはスッキリした明るい表情になっている姿を見ると、「よし、今日も頑張ろう」とやりがいにつながっています。そんな短時間にその表情の変化を見られるのは、有り難い環境ですよね。
顔がスッキリするのもそうですし、温泉に入って、健康的になったという声はよく聞きます。私自身も移住してから毎日温泉に入っていますが、風邪もひきにくくなりましたし、肌が以前よりツルツルになった気がしています(笑)
そんないいこと尽くしの温泉。そんな温泉がすぐ近くにある生活は、ある意味贅沢な暮らしなのかもしれないですね。
【編集部からひと言】
地域のコミュニケーションが
生まれる場
暮らしの一部になっている温泉。「行けば誰かがそこにいる」という安心感は、心が落ち着くものですよね。地元の人が気軽に集まり、世代を超えたコミュニケーションが生まれる。こうした場が今でも当たり前にあることが、温泉のある町の魅力なのかもしれませんね。