冬の新潟で感じた、
澄んだ水に包まれるような
雪のにおい
新潟県民にとっては「当たり前」でも全国的に見ると全然当たり前じゃないことってたくさんあるはず! そんな新潟の魅力を、新潟県に縁のある方に聞いてみました。
しんと静まりかえった
冬景色のなかで、
雪のにおいをすいこむ
わたしは四季のうつりゆくにおいが新潟の好きなところです。ふだんの暮らしには、田んぼの野焼きあとのにおいや、雪が降った朝のにおいなど、さまざまな“におい”が溢れています。
“におい”を言葉にするのは難しいのですが、あえていうなら、ピンとした澄んだ水につつまれているようなもの。雪が降ったあとに玄関を開けると、鼻にツンとした、冷たくて研ぎ澄まされた雪のにおいが漂ってきます。
冒頭の写真は、新潟駅から東京へ向かう高速バスのなかから撮ったもの。ちょうど雪深い地域に差し掛かったころで、雪景色がきれいだなぁと思って撮影しました。
新潟県民で「雪が好き」という人はどれくらいいるのでしょうか。
新潟の雪は、「通勤前の除雪が……」とか「電車が遅れちゃう」とか何かと厄介者扱いされてしまう。
「(雪が好きなのは)スノーボーダーくらいじゃない?」という知人もいました。
けど、「こんなに雪降っちゃってさあ」と写真を関西の友人に送ったら、
「めちゃくちゃきれいだね。素敵だね」と言われて、「ああ、雪ってきれいなものだった」と少し誇らしげな気持ちになりました。
【編集部からひと言】
厄介者扱いされる雪だけど……
冬が近くなると毎年心配になるのが、降雪量。新潟県民にとって、通勤前・退社後の雪かき、電車の遅延、渋滞など雪は厄介な存在です。それでも、ふと外を眺めたときに雪景色に美しさを感じることも多いですよね。ネルマエ文庫さんは雪の美しさだけではなく、“におい”を感じるのだといいます。朝、外に出て澄んだ空気とにおいをすいこむ。それができるのも、雪が降る新潟だからこその冬の楽しみ方ですね。