越後長岡の雪室で、
生ハムの旨みを閉じこめました
新潟県民にとっては「当たり前」でも全国的に見ると全然当たり前じゃないことってたくさんあるはず! そんな新潟の魅力を、新潟県に縁のある方に聞いてみました。
川口地域の
豊かな自然を生かした
生ハムづくり
長岡市の南部にある川口地域は、米どころで知られる魚沼市にほど近い、豊かな自然が魅力のエリアです。
はっきりとした四季が特徴で、夏は鮎などの魚を間近に感じられる「やな場」や森林の中でゆったりとした時間が楽しめるキャンプ場が家族連れでにぎわい、冬はどっさりと降り積もる雪を活かした雪まつりに多くの人が訪れています。
下の写真は、川口地域で行われる「越後川口生ハム塾」に参加した友人から自慢の生ハム原木を試食させてもらった時の一枚です。
「越後川口生ハム塾」とは、新潟県産のブランド豚のモモ肉約11㎏と厳選した塩を使って作る生ハム作り体験のこと。越後川口の雪のチカラを活用した「雪室」で熟成させているそうです。
雪室で熟成された生ハムは、薄くスライスしても肉の旨味がギュッとつまっていて、今まで食べたどの生ハムよりも濃厚。こんなにも肉の味をしっかりと感じたのは初めてで、ご厚意に甘えて夢中で2枚、3枚とごちそうになってしまいました。
越後川口生ハム塾を監修する神谷英生シェフがいうには、川口地域は生ハム作りにぴったりの地域なのだそう。おいしい生ハムの熟成には、適切な温度管理が欠かせません。暑すぎてもダメ、寒すぎてもダメ。そんな絶妙な温度を、川口地域の四季と雪室が作り出しています。
春夏秋冬の違いがはっきりわかる新潟の気候は、地元の人にはあたりまえでも県外の人にとっては貴重なものだと思います。私は地元を離れて県外で暮らしていたとき、新潟の四季の味わいが当然のものではないと初めて気づかされました。故郷に戻った今、季節ごとに表情を変える里山を眺めていると「新潟に生まれてよかったな。」と感じます。
そんな「あたりまえ」の恵まれた環境を活かして作られた生ハムは、新潟でしか味わえない逸品です。
【編集部からひと言】
雪深い川口地域で
熟成された生ハム
長岡市川口地域でつくられる生ハム。雪深い地域だからこそじっくりと熟成できる専用の雪室を用意できるのですね。土地の利点を掛け合わせた川口の生ハム。ぜひ一度食べてみたいものですね。
Information
越後川口生ハム塾とは?
新潟県産のブランド豚のモモ肉約11㎏と厳選した塩を使って作る生ハム作り体験。越後川口生ハム塾では生ハムのオーナー制を行っており、参加者は生ハムのオーナーになります。豚モモ肉(県産銘柄豚4種類)と塩(国内外の塩3種類)からお好みのものを選び、生ハムの最初の工程の「血抜き」「塩もみ」を体験。その後の工程は生ハム塾が管理し、越後川口に吹く風で乾燥、発酵を行った後、生ハム塾専用の雪室で熟成させて生ハムに仕上げます。完成まで約1年6ヵ月の時間をかけ、発酵熟成させ旨みを引き出します。
Webサイト
越後川口生ハム塾を監修する神谷英生シェフについて
東京都目黒区で熟成肉やジビエを中心としたレストラン「ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ」を経営。越後川口生ハム塾の監修者、新潟県糸魚川市出身。