佐渡島は鬼が島!?
120以上の集落で5系統の
鬼太鼓開催中!
新潟県民にとっては「当たり前」でも全国的に見ると全然当たり前じゃないことってたくさんあるはず! そんな新潟の魅力を、新潟県に縁のある方に聞いてみました。
佐渡島に根付く、伝統行事
「鬼太鼓」
佐渡島では、春と秋に太鼓を叩く鬼があらわれます。
その名も「鬼太鼓」。
鬼や獅子、笛、太鼓などがチームとなり、五穀豊穣や大漁、家内安全を祈りながら家をまわって魔を祓う、佐渡に続く伝統行事です。
始まりこそ定かではありませんが、古くは江戸時代中期の1746(延享3)年の『相川例祭絵巻(仮称)』で登場する鬼太鼓。現在まで島内それぞれの集落で鬼太鼓の踊りは受け継がれてきました。今も120以上の集落で行われ、豆まき型・潟上型・花笠型・前浜型・一足型の5つの系統があるといわれています。田植え前の4月15日近辺に行う「春祭り」と、収穫前の9月15日近くに行う「秋祭り」があります。神社の神様から集落を守る役割を与えられた鬼たちが、太鼓に合わせて独特の振り付けで踊り続けます。
冒頭の写真は、馬首地区の鬼太鼓。馬首の鬼太鼓をしている方に誘われて見に行きました。馬首は佐渡島の北東に位置する地域で、潟上型のひとつ。毎年固定の10月の第4土曜日に開催されています。
当日は、神社での舞や各家庭をまわる「門付け(かどづけ)」を見せてもらいました。獅子に頭を噛んでもらうと、無病息災のご利益があるんだそう。
馬首の門付け順番は、神社から祭具奉納してる家をまわり、区長の家で舞ってから最北の家から南に向かって順繰り(翌年は最南の家から北に向かって順繰りの交互)に行い、最後は祭具を奉納してる家で終了します。
当日は、朝8時半から神社でお祓いを受け、あとは馬首の家々を回り、夕方17時くらいには終わります。踊る軒数は馬首の集落の約20軒程。
衣装の異なる鬼が次々と舞う姿が印象的で、目が離せませんでした。同じ型で、同じ舞いなのに、踊る人によって印象が違うのも面白かったです。また、地域ごとで鬼の数や衣装が違うのですが馬首では4人の色の違う鬼が順番に舞っていて、その様子も踊りも新鮮でした。
こうした古くからの文化が当たり前のように根付く佐渡島。伝統を受け継ぎ、次に繋いでいく佐渡島のみなさんの姿勢に心打たれました。
【編集部からひと言】
伝統文化が受け継がれる、佐渡島
鬼太鼓や能楽、人形芝居など、佐渡島には今でも伝統文化が多く残っています。こうした文化が残っているのは、島民のみなさんが残すために努力を重ねてきたから。そのことに感謝をしつつ、佐渡島に根付く芸能文化を実際に観てみたいものですね。