江戸時代から続く
みなとまち文化。
まちあるきの達人・
野内隆裕さんに聞いた
新潟市中央区下町界隈の歩き方
新潟県民にとっては「当たり前」でも全国的に見ると全然当たり前じゃないことってたくさんあるはず! そんな新潟の魅力を、新潟県に縁のある方に聞いてみました。
新潟のみなとまちを巡る、
まちあるき
日本一の大河が日本海と出会う場所、信濃川河口に位置する新潟市中央区界隈は、江戸時代は北前船の寄港地として繁栄した「湊」、また明治の開港場にも選ばれた「港」の香りが残る「みなとまち」です。
先ずは新潟市歴史博物館「みなとぴあ」から、まちあるきしてみませんか。
みなとぴあの敷地内にて目を引く旧新潟税関庁舎は、明治2年(1869)に地元の大工が見よう見まねで造った擬洋風建築と呼ばれる建物で、開港五港(函館・新潟・横浜・神戸・ 長崎)の中で唯一現存する税関遺構です。まさに「港」を代表する名所でもありますね。
また、この建物が出来た頃の絵図を見てみましょう。背景には日本海と佐渡島が、手前には信濃川河口の新潟港が描かれております。運上所(税関)庁舎に集う人や荷物の姿が見えますね。左上は新潟のまちなみ、右上の櫓が描かれているところは海や港を見渡し水先案内をしていた「日和山」と呼ばれる砂丘の小山です。
日和山は北前船等の寄港地にて天候を観測し、水先案内等を行っていた場所で、現在も全国に約80箇所残っているそうです。景色の良さから観光地にもなっていたそうで、沢山の旅人達が訪れていた模様ですよ。
こちらの絵は、江戸の絵師、長谷川雪旦が、天保二年(1831)に新潟の日和山に登り描いた風景です。山頂には風向きを見る方角石、遠めがねで日本海や佐渡を眺める人が描かれていますね。麓には茶屋の姿もありこちらもまさに「湊」を代表する名所でもあったようです。
この日和山、実は現在も残っております。2009年には市民有志と、新潟市により整備され、まち歩きの拠点として訪れる方も増えました。新潟市歴史博物館みなとぴあから、日和山まで、「港」と「湊」を感じるまちあるき、是非歩いてみて下さい。
【編集部からひと言】
現在でも垣間見れる、
みなとまち文化
江戸時代から始まった新潟のみなとまち文化。日和山(12.3m)は、湊をしっかり管理する重要な場所だったのですね。こうやって歴史や見るべきスポットがわかると、余計に行きたくなるもの。暖かくなったら、このまちあるきコースで巡ってみてはいかがでしょうか?