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暮/くらし2021.03.07

人との距離の近さ、
島の食材を使った豊かな食、
東西で表情を変える景色が
魅力的な粟島

新潟県民にとっては「当たり前」でも全国的に見ると全然当たり前じゃないことってたくさんあるはず! そんな新潟の魅力を、新潟県に縁のある方に聞いてみました。

taccoさん

にいがた当たり前品質100・選者
taccoさん

【プロフィール】
佐渡生まれ、上越育ち、粟島浦村在住。小学校の頃に参加した自然体験学習で海が好きになり、視野が広がった経験から、自然と触れ合うきっかけ作りをしたいと現在は自然体験の提供や観光案内を行う地域おこし協力隊をしている。趣味はご飯、スイーツ、パンの他、その土地のもの、旬の美味しいものを探すこと。そしてのんびりと散歩しながら何かを見つけ写真を撮ること。新潟の好きなところは、四季の移ろいを感じられるところ、ご飯が美味しいところ、自然が多く心落ち着くところ。

たら

温かな人、自然、食。
taccoさんの思う、粟島の魅力

周囲23㎞、人口約350人、集落が2つある粟島浦村。島の人たちは互いに屋号や下の名前で呼び合い、気軽に声をかけあっています。

粟島浦村

「おはよう!」「困ってない?」そんな声を、私も移住してからかけてもらうようになりました。挨拶は当たり前で「野菜はあるか?」「食べるものはあるか?」「一緒にご飯はどうだ?」など、たくさん気軽に声をかけてくれるんです。だから、初めて来た島でも寂しさを感じなかったのかもしれません。

生活の中でも、島の連絡が島内放送であったり、保育園・学校の行事に島民が集まったり、村民運動会や祭りがあったり、地域の人との繋がりが強く、気軽に声をかけ合える温かさを感じる毎日を過ごせてます。

いもたこ

ひとりで食べる食卓も、島のお父さん、お母さん方が作ったジャガイモやトマト、冬菜などのもらい物や、島で獲れた魚や海藻類、魚の煮付けや山菜の和え物といったお惣菜であふれ、温かい食卓を楽しんでいます。時には、お呼ばれして一緒に話しながら、ぬくもり溢れる食卓で時間を過ごすことも。

そんな風に、島にはコンビニや量販店がなくても、手作りや旬を味わえる最高の贅沢があります。

粟島浦村

島には、人の魅力以外にも、色んな景色や、透明度の高い美しい海があります。

小さい島ですが、東側、西側で雰囲気が異なり、東側は緩やかな坂、斜面に対し、外海に面する西側は斜面が急で集落内は階段が多く、集落を離れると奇岩も多く見られるなど雰囲気が全く違います。

また、朝は東側で朝日を、夕方には西側で海に沈む夕日を、夜は満天の星が見られるのも粟島ならでは。

海は沖縄にも負けない透明度を誇り、陸では春秋に渡り鳥たちが集まる場として様々な鳥たちとも出会えます。季節、時間帯で様々な顔を見せてくれるので、四季を通して粟島という地形の面白さ、豊かな自然を楽しめるんです。

めかぶ
めかぶ

粟島の海には、タイやタラ、寒ブリ、アオリイカなどの魚、ギンバソウやわかめ、めかぶなどの海藻類と様々な海の幸もあります。時季になるとあがるそれらは、まさに新鮮で贅沢な一品。海の幸だけでなく、山でもフキノトウやウドなどの山菜が採れます。

粟島の名物料理・わっぱ煮
粟島の名物料理・わっぱ煮

食材を干したり、煮たり、焼いた石を使ったり、島の食材を使った粟島の家庭の味も魅力的。じゃがいもとタコを煮たイモタコ、タラの醤油干しや山菜の和え物など旬を味わえる料理がたくさんあります。この土地ならではのものに出合う度に、「楽しく美味しい贅沢品だなぁ」と日々有り難さを感じています。

山菜・しんのこ
山菜・しんのこ
しょがら煮
しょがらと大根おろしを煮た汁物。しょがらとは、サバなどの魚を塩、米ヌカと一緒にして保存した発酵食

【編集部からひと言】
小さいけれど人も島も
海・山の幸も豊かな粟島

コンビニや量販店がなくても、人との繋がりや、季節ごとの食材や景色が日常的にある粟島。この島だからこそ知れる小さな幸せや贅沢があり、それに触れるとこんなにも温かな気持ちになれるのですね。外からきて、暮らしてみたからこそ分かる粟島の魅力を、taccoさんに教えてもらいながら私も体験してみたくなりました。