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食/ごはん2021.03.08

甘くておいしいけど、
なかなか手に入らない砂丘桃。
糖度18~20度の驚異の数字は、
水はけの良さと
寒暖差のおかげだった

新潟県民にとっては「当たり前」でも全国的に見ると全然当たり前じゃないことってたくさんあるはず! そんな新潟の魅力を、新潟県に縁のある方に聞いてみました。

布施弘樹さん

にいがた当たり前品質100・選者
布施弘樹さん

【プロフィール】
三条市出身柏崎市在住。ピーチビレッジ刈羽㈱勤務。地域のアマチュア中学生サッカークラブ「柏崎ユナイテッドFC」代表。約20年前に、結婚を機に柏崎市に移住。幼い頃からサッカーに携わってきた経験を地域の子供たちの為にとの思いからサッカークラブを立ち上げ今に至る。新潟の好きなところは、積雪で鍛えられたのか、何事にも黙々と取り組んでいく方々が多いところ。そして、共通の趣味でも人と人との繋がりができやすいところ。

昔から刈羽村で
栽培される砂丘桃

昔から刈羽村で栽培されていた砂丘桃。
近年、一般的な桃よりも甘い18~20度の糖度があることがわかりました。
※一般的な桃の糖度は13~15度といわれています。ただし、収穫時期や品種、年によって異なります。

その事実が判明したことで、村全体で「砂丘桃を将来に残そう」という活動が出てきています。この糖度の高い桃を刈羽村の特産品として全国にPRしていけば、この村の景色や美味しい桃を今後も受け継いでいけるのではないかと考えたからです。

砂丘桃

刈羽村の砂丘桃は、7月から8月上旬の収穫時期になると、桃農家の農園前や村内の販売所に多く並びます。お盆頃になると、砂丘桃を求めてお客様が多く刈羽村にいらっしゃいます。しかし、実際には8月上旬には収穫が終わる品種なので、お盆頃にはほぼ売り切れてしまうもの。テレビでも毎年のように紹介され、最近では「幻の桃」とまで呼ばれるようになりました。

砂丘桃を食べたい人は、7月中旬から8月上旬に刈羽村村内の直売所に行ってみてください。刈羽村の複合施設「ぴあパーク とうりんぼ」のピーチビレッジ園芸センターでは、例年6月から予約受付を行っています。確実に手に入れたい人は、予約しておいたほうがいいかもしれませんね。

砂丘桃

私が初めて砂丘桃を食べたのは、8年前。刈羽村で働くことになり、道沿いの直売所で偶然売っているのを見つけたことがきっかけでした。程よい食感としっかりとした甘さで本当に美味しくて。

その後、自分の会社でも栽培することになり、5年前から実が生り、売り出すようになりました。

砂丘桃

砂丘桃のおいしさの秘密は、砂丘で育てているため、水はけがよいこと、そして新潟特有の寒暖差があることの2つです。これらの条件が整っているおかげで、糖度の高い桃がたくさん実るのです。

砂丘桃は糖度15度以上が当たり前。その甘さは一度食べて頂ければ、実感できるはずです。購入者はほとんどの方がリピーターになってしまうそうですよ。

砂丘桃

しかし、現在砂丘桃は、農家さんの高齢化により跡継ぎ問題にも直面しています。そこで、企業が主導して栽培に取り組んだり、地域の桃組合との情報共有や情報発信などをして、今までの伝統継承に若い人の行動力を組み合わせる活動をしています。

砂丘桃が刈羽村の特産品として10年後、100年後まで続いて欲しい。そんな思いで、官民一体となって取り組んで美味しい桃を作っているのです。

これほど甘く、地域一丸となって存続に力を入れる砂丘桃。ぜひ皆様にも一度、刈羽村の糖度の高い美味しい砂丘桃を一口食べて頂けたら嬉しいです。

【編集部からひと言】
普通の桃よりも甘い砂丘桃

村で作ってきた美味しい桃が、実は一般的な桃と比べて糖度が高い、特別な桃だったんですね。新潟にある当たり前だけど美味しいものを、これからもぜひ守っていって欲しいです。甘い砂丘桃を求めて7月中旬から8月上旬のタイミングを見つけて買いにいこうと思います。

Information

ぴあパークとうりんぼ
address:新潟県刈羽郡刈羽村大字刈羽4286番地2
TEL:0257-31-8600
Web:ぴあパークとうりんぼ公式HP