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暮/くらし2021.03.08

自然だけじゃない、
人もやさしい阿賀野市での暮らし。

新潟県民にとっては「当たり前」でも全国的に見ると全然当たり前じゃないことってたくさんあるはず! そんな新潟の魅力を、新潟県に縁のある方に聞いてみました。

成川潤さん

にいがた当たり前品質100・選者
成川 潤さん

【プロフィール】
KIYA DESIGN 代表。自らの手で山木を切り出し、製材・乾燥させたものを木製食器・雑貨に変身させている。木の製品を通して大人から次世代の子供たちに山や森の本当の現状を知ってもらい、 未来につながる環境教育を担う。新潟の好きなところは、新潟市中央区の発展した街並みから、少し車で移動するだけで山・川・海にすぐにいけるところ。
Webサイト

阿賀野市

移住して感じた、阿賀野市の
自然環境とあたたかい市民性

新潟平野のほぼ中央に位置する阿賀野市は、南側に阿賀野川、東側には1,000m級の山々が連なる五頭連峰がある自然豊かな地域です。

私は元々、新潟市の中央区在住でしたが、阿賀野市の魅力に惹かれて旧笹神村に移住して10年目になります。

阿賀野市

幼いときから自然が好きで、自然環境保全を専門学校で学び、森林組合(林業)に就職しました。働く中で「木をもっと活かすことが出来ないか」と考えるようになり、家具屋、薪ストーブ屋に転職。その後、林業と木工を両立したいという思いがだんだん強くなり、24歳の時に現在の阿賀野市の土地・家屋・作業場を購入しました。

阿賀野市のこの場所は、林業をするため山が近くにあり 、チェーンソーなどの騒音などに理解のある地域(ある程度の田舎)が外せない条件で、丸太や機械などを置くための土地と作業場が必要だという僕の条件に合致。さらには、五頭山のふもとにあることと、ご近所さんがとても懐の大きい方でこれが決め手でした。

阿賀野市

移住者として住んでみると、笹神村の魅力は、たくさんありました。なんといっても、春夏秋冬で変わる自然の魅力。春は五頭連峰山開きで一汗かき、夏は自然公園の小川や滝で涼み、秋は田園風景・紅葉をたのしむ、冬は白鳥が田んぼにうろちょろしているのが見えます。驚いたのは、春頃に「だしの風」という超強風が吹き荒れることです。ひどいときは、網戸が外れてなくなります。

他にも、五頭山・五頭温泉郷(出湯・今板・村杉)があり、キャンプ場や別荘地もあります。工芸では陶芸・竹籠・木工などの職人もいて文化が根付いています。

阿賀野市

阿賀野市は自然が豊かな部分がフォーカスされがちですが、それにプラスして「市民性」がとっても良いんです。

私は事業を営んでおり、市内の異業種の事業者さんと会うことも多くあります。そんな出会いの中でも、阿賀野市の人々は他のところでは感じたことがないくらい、一致団結して阿賀野市を盛り上げていこうという気持ちが強く、みんなの仲が良いんです。これは市外の事業者さんたちからもよく言われます。

様々なイベントで出店する際には、各業者ごとに個別でなく「阿賀野市」として出店する場合があります。その中で助け合うことはもちろん、次回はこんなイベントを立ち上げようなど、起業して間もない私の相談にも、皆さんちゃんとアドバイスしてくれました。

また、私の住む旧笹神村の集落では、困ったことがあったら相談にのったり、協力してくれるんです。当たり前のことかもしれませんが、本当にそうしてくれる人は実際少ないですよね。おかげさまで移住して早い段階で馴染むことができました。

移住する前の購入検討中に、ご近所さんに挨拶をしに行ったところ、真摯に話を聞いてくださったこともよく覚えています。若かったこともあり勢いだけで起業した私は、事業計画も開業資金もなく、1年で貯金が底をついてしまいました。

そのことをご近所さんに相談したところ、週3~5日で夕飯をごちそうしてくれ、命拾いしました。その期間、なんと約1年。起業2年目から徐々にお取引先も増え、お仕事もいただき、現在にいたります。

阿賀野市

また、「山を借してほしい」や、「作業場所を探している」など相談すると、すぐに紹介していただくことが多くあります。

自然が好きで田舎暮らしをしてみたいと夢を抱いているが、実際にまだ足を進められていない人は、一度、阿賀野市を候補にしてみてはどうでしょうか。

【編集部からひと言】
阿賀野市の人の温かさを
教えてもらった

豊かな自然の印象が強い阿賀野市でしたが、人も熱く、優しいんですね。田舎や、移住先に実際住んでみると、人の温かさが助けになるものです。受けた恩を他の人に受け渡しながら、この助け合いがずっと続いていければ、さらに阿賀野市を好きになる人が増えて、より愛される土地になっていきそうですね。