十日町に伝わる、かわいらしい
縁起物「チンコロ」を
飾る文化。
新潟県民にとっては「当たり前」でも全国的に見ると全然当たり前じゃないことってたくさんあるはず! そんな新潟の魅力を、新潟県に縁のある方に聞いてみました。
十日町に伝わる縁起物
「チンコロ」
十日町には、昔から伝わる縁起物「チンコロ」があります。しんこ(米の粉)を原料にして作った十日町市名産の細工物で、「チンコロ」は小さな子犬という意味です。
米の粉を使っているので乾燥でヒビが入ってくるのですが、ヒビが入れば入るほど、幸せになれると言われています。家族の健康を願ったり、子宝に恵まれるようにと祈る人もいるようです。
そんな風に縁起物として古くから愛されており、毎年干支にちなんだものも多く作られています。
「チンコロ」は、節季市(チンコロ市)で購入ができます。節季市とは、毎年1月の10、15、20、25日に開催され、通りには竹細工・わら細工などの民芸品や漬物、乾物、お菓子などを売る約50軒ほどの露店や屋台なども並び活気づいています。
十日町生まれの私にとって、「チンコロ」は小さい頃から身近な存在で、物心ついた時には家にあるのが当たり前のもの。
2021年は感染症対策で節季市は中止されたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の収束を願ってチンコロ販売会として開催されました。毎年「チンコロ」を買っているので今年もそのチンコロ販売会に、息子と行ってきました。
冒頭の「チンコロ」は、長蛇の列をならび、悩みに悩んで選んだもの。たくさんある中から色合いが綺麗なこの3つを選択。真ん中のちんころのポケッとした顔が可愛かったこと、ヘビは縁起が良いことも決め手でした。
チンコロ販売会会場以外で、知り合いが作っているのでそちらで購入した「チンコロ」もあります。毎年可愛らしい「チンコロ」を作ってくれるので、楽しみにしています。
地元の人だけではなく、新潟市や上越市、他にも県外からもチンコロを買いに来ていると知り、びっくりしました。「チンコロ」は人気で、午前中には売り切れる事も多いそうです。
毎年新しい「チンコロ」を悩みながら買って、家の玄関に飾るのを楽しみにしています。
【編集部からひと言】
かわいらしい見た目の
「チンコロ」
冬に新聞などでも紹介されるこのかわいらしい「チンコロ」は、縁起物として十日町で受け継がれてきたものだったのですね。ヒビが入れば入るほど幸せになれると思うと、変化を見守るのも楽しくなりそうです。干支にちなんだものも多くあるようなので、来年はチンコロを買いに行ってみようと思います。