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コラム2021.07.11

新潟は“日本酒学”の聖地!?飲むだけじゃない、奥深い日本酒の世界を学ぶ
~コメジルシくんが聞く!新潟の魅力 vol.9~

コメジルシくんが新潟のすてきなところを教わる企画『コメジルシくんが聞く!新潟の魅力』。日本中・世界中に広めたくなる新潟の魅力を探して、県内各地をめぐります。

今回のテーマは、新潟発・世界初の新しい学問“日本酒学”。新潟の名産品“日本酒”はわかるけれど、それを“学ぶ”ってなんだろう…?新潟大学日本酒学センターを訪ねて、詳しく教えていただきました!

新潟と日本酒

全国有数の米どころであり、日本酒の生産地としてもよく知られる新潟。県内には80以上もの酒蔵があり、県民一人あたりの清酒の消費量も日本一を誇ります。

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そんな日本酒と縁深い新潟の地で生まれた世界初の学問が“日本酒学”。2017年に新潟大学・新潟県・新潟県酒造組合の産官学3者が連携協定を結び、活動が始まったのだそうです。

あらゆる領域から日本酒を学ぶ、日本酒学

新潟大学五十嵐キャンパス内にある“日本酒学センター”。センター長の鈴木教授に、日本酒学とは何かをお聞きしました。

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日本酒学センター長 鈴木 一史教授
藤の花の酵母を用いた日本酒の開発に関わるなど、さまざまな研究で活躍されています。

「日本酒は米、水を原料として麹や酵母の微生物の働きで造られます。その原料、発酵・醸造などの製造工程はもちろん、気候や風土などの地域性、歴史・文化や酒税、製品のマーケティング、日本酒と食との“ペアリング”など、日本酒が関わるあらゆる領域から日本酒を学ぶ新しい学問です」

なるほど、科学や文化などのさまざまな角度から日本酒にアプローチするんですね。とっても面白そう!実際に学んでみると、どんな感じなんでしょうか?

日本酒学

「新潟大学の日本酒学を通して、経済学、農学といった自らの専門分野以外に、様々な学問分野に日本酒を通して触れることができます。将来、酒造メーカーや様々な関連企業への就職、研究者への進路が考えられます」

学生向けの日本酒学の講義では、聴講希望者が1000人を超えたこともあるんだとか。人気の高さがうかがえますね。

日本酒学センター

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日本酒学センターでは、日本酒の醸造、美味しさ、機能に関する研究や、歴史、経済、健康との関連など、日本酒を幅広く研究しています。

「日本酒研究の最先端、研究設備も見てみるかい?」

鈴木教授に誘われて、コメジルシくんが案内してもらったのは、センター内にある研究室。
酒造りと聞いて、昔ながらの木の樽や蔵を思い浮かべていましたが、予想に反して研究室はとっても近代的で科学的!

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フラスコに入った酵母

センターには、酒造りの基礎を学ぶ試験醸造の設備や日本酒の香りの分析装置など、実習ができる環境が整っているのだそうです。

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日本酒学センター所属 西田 郁久 特任助教

「ここでは、よりおいしい日本酒を造るために、酵母の働きについて研究をしているところだよ」

西田特任助教が手に持っているのは、“もろみ”の瓶。米に乾燥麹と酵母、水を混ぜて醸造している最中だそうです。味がよくて環境に強い日本酒は、こんなふうに研究されて造られていくんですね。

日本酒学(Sakeology)の国際拠点へ!

新潟発・世界初の学問領域である日本酒学。センターは、日本酒学を“Sakeology(サケオロジー)”と名づけ、世界へ向けた日本酒の研究拠点を目指しているといいます。鈴木教授は、「新潟大学が日本酒学の国際的な拠点となり、日本酒学を広げていきたい」と語ってくれました。

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日本酒をただ飲むだけでなく、その製造工程を研究し、背景となるさまざまな歴史、文化なども併せて学ぶ…。日本酒学の奥深い世界に触れたら、日本酒の新しい楽しみ方もどんどん増えていきそう!いつか新潟が日本酒学の拠点となり、“日本酒学の聖地”なんて呼ばれる日が待ち遠しいですね。

※日本酒学センターでは、学生向けだけでなく、一般向け公開講座や講演、シンポジウムなども実施中!最新情報は日本酒学センターのホームページをご覧ください。

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「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」では、コメジルシくんがさまざまな新潟の魅力を聞いていきます。次回もお楽しみに!

「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」は、新潟県広報番組「週刊 県政ナビ」のテレビ放送およびその動画配信でもご覧いただけます。

日本酒学センターの開所式の様子は、新潟県ホームページ『ぽんしゅびより』でもご紹介しています。ぜひ見てみてくださいね!