糸魚川のヒスイの達人・小河原孝彦さんと『いしのまち』で宝物探し!
~コメジルシくんが聞く!新潟の魅力 vol.3~
コメジルシくんが各地の『達人』に新潟の魅力を教えてもらう企画『コメジルシくんが聞く!新潟の魅力』。新潟のいいところを日本中・世界中に広めるため、コメジルシくんがいろんな場所へ『達人』を訪ねていきます。
今回の舞台は糸魚川。コメジルシくんを案内してくれたのは、フォッサマグナミュージアムで学芸員を勤める小河原孝彦さんです。地形や地質がご専門だという小河原さん、糸魚川で有名なヒスイはもちろん、石のことならなんでもご存じのいわば石のスペシャリスト。今回は糸魚川とヒスイにまつわるさまざまなお話を教えていただきました。
フォッサマグナとヒスイ
糸魚川といえばヒスイ、というほど糸魚川の名産品としてよく知られるヒスイ。けれど、そもそもなぜ糸魚川はヒスイで有名なのでしょうか?その疑問に答えるべく、小河原さんがまず案内してくれたのは、『フォッサマグナミュージアム』。
「日本列島は生まれたとき、バキッと二つに割れました。そのときにできた大きな溝のことをフォッサマグナといいます。ここフォッサマグナミュージアムでは日本列島の成り立ちや、ヒスイをはじめとするさまざまな石を展示しています」
「こちらが私の特に大好きな展示室、第一展示室になります。糸魚川の海や川で見つかったヒスイがたくさん展示してあります」
第一展示室に飾られた大小さまざまなヒスイ、ヒスイ、ヒスイ…!地元の方が拾って寄付してくれたものも多いのだとか。
ヒスイは、地球を作るプレートが地下に沈み込んだ深いところでできる鉱物のひとつ。それが地殻変動で地表に上昇し、山や渓谷に姿を現します。糸魚川は、たまたま地下からヒスイが上昇してきた場所だたったため、たくさんのヒスイが発見されている、ということなんだそうです。 なるほど、地球レベルの偶然とは、とても壮大ですね…!
いしのまち、ヒスイのふるさと
次に小河原さんが案内してくれたのは、小滝川ヒスイ峡。フォッサマグナミュージアムにあったヒスイが見つかった場所のひとつです。
「小滝川ヒスイ峡は、昭和14年に確認された日本最初のヒスイの産地。この場所でヒスイが見つかったことで、糸魚川が『ヒスイのふるさと』『いしのまち』になりました」
川原には大きな石や岩がたくさん。中には、人の背丈よりも大きなヒスイの原石も!地球の活動でこれができたなんて、なんだか不思議です。しかも糸魚川のヒスイができたのは、なんと5億年以上も前なのだとか。恐竜の時代が約2億年前だと考えると、どれだけ歴史があるかよくわかります。
『ヒスイのふるさと』糸魚川は、同時に、ほかの古い時代の石のふるさとでもあるんだそうです。川原の石をひとつひとつ眺めて、いつの時代のものか考えてみるのもおもしろいかもしれませんね。
(なお、小滝川ヒスイ峡は小滝川硬玉産地として国の天然記念物に指定されているため、ここの岩石を持ち帰ることは禁止されています)
海辺で宝物探し
「ヒスイの原石は川を下って、海に流れていきます。その原石が海にあるので一緒に探しに行きませんか?」
そう言って小河原さんが最後に連れてきてくれたのは、その名もヒスイ海岸。ヒスイ峡から川を通って海まで流されたヒスイが、波で浜に打ち上げられることがあるそうです。
こちらでは石を拾ってもOKだということで、海岸にはヒスイ探しをしている人もちらほら見かけられました。
「ヒスイは縄文時代から糸魚川にあるので、縄文時代の人も、ここでヒスイを探していたのかも知れません。そんなロマンを感じられるところが、糸魚川の良いところだと思っています」
糸魚川のヒスイには、見た目の美しさ以外にも、地球の営みや歴史のロマンなどさまざまな魅力が詰まっているんですね。感銘を受けたコメジルシくん、どうやらヒスイを探しに行ったようです。
「コメジルシくん、見つかったかな~!?」
ヒスイは見つからなかったけれど、宝物にしたいすてきな思い出は見つかったみたい。教えてもらったスポットを早速Instagram(@komepro_niigata)で投稿していました。
「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」では、これからも月に一回コメジルシくんが「達人」に魅力を聞いていきます。来月もぜひご覧ください。
「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」は、新潟県広報番組「週刊 県政ナビ」のテレビ放送およびその動画配信でもご覧いただけます。
【週刊 県政ナビ】2020年9月6日放送