奥三面ダムの達人・峰村 修さんとダムの魅力に迫る!
~コメジルシくんが聞く!新潟の魅力 vol.4~
コメジルシくんが各地の『達人』に新潟のすてきなところを教えてもらう企画『コメジルシくんが聞く!新潟の魅力』。誰かに伝えたくなる新潟の魅力を訪ねて、コメジルシくんが県内のさまざまなところへ出かけていきます。
今回訪れたのは、村上市の三面エリアにある奥三面ダム。建設当初8年間もこのダムに携わったという達人・峰村 修さんに中を案内していただき、奥三面ダムのひみつと魅力を教わってきました!
三面川流域を守る巨大ダム
村上市街から三面川に沿って車で進むこと約1時間。自然豊かな山の中に、静かにたたずむダム湖と巨大なコンクリート壁が見えてきます。
奥三面ダムは、三面川にある三つのダムのうち、一番大きくて新しいダム。川の水量を調整することで、ほかのダムと一緒に三面川流域を洪水などの被害から守っているのだそうです。
「まずは管理所からこのモノレールで下までいくね」
峰村さんのご案内で、内部施設を通ってダムの上から下へ移動することになりました。急傾斜の階段上に設置されたモノレールで、ゆっくりと降りていきます。
(※内部施設は特別な許可を得て取材しています)
日本最後の「アーチ式コンクリートダム」
「奥三面ダムは平成13年に完成したアーチ式コンクリートダム。高さは116メートルで、ごらんのとおり、とても大きなダムです」
たしかに、すごい迫力です。116メートルというと、地上30階建てのマンションくらいの高さでしょうか。近くで見るとその巨大さに圧倒されます。
「このダムはアーチ式と言って、堤体を放物線状にする日本独自の技術で作られているんだ。下流の環境を考慮した水が絶えず一定量出る構造になっているよ」
峰村さんによれば、ダムにはいろいろな型式があるんだとか。新潟県内に一番多いのは、重さで水を堰き止める重力式コンクリートダム。そのほかにも石や土を組み合わせて造るアースダム、ロックフィルダムなどがあって、型式によって見た目もさまざまです。
その中でも、奥三面ダムのようなアーチ式は比較的珍しい種類。実は、新潟県が管理するダムとしては、奥三面が唯一のアーチ式コンクリートダムなんだそうです。
「固い岩盤とV字の谷地形であることがアーチ式ダム建設の条件。このような地形条件でダムを作れるところはもう日本にないから、奥三面は日本最後のアーチ式コンクリートダムなんだよ」
日本最後のアーチ式ということは、同時に、それまでに日本国内で培ったアーチ式コンクリートダムの技術の粋が集められているということでもあります。奥三面ダムは知る人ぞ知る新潟の名所なんですね!
かつての暮らしの面影を残すトンネル
次に案内してもらったのは、ダムの施設からつながるトンネル、「かねつぼ隧道」。外に続いているようですが…。
「このトンネルはね、ダムの工事が始まる前に、住んでいた人たちが生活に使っていたトンネルだよ。ダムの工事のため途中で埋めてしまったけど、下流側は管理のために今も使っているんだ」
ダムの工事が始まる前、この付近には三面集落と呼ばれる家々があったのだそう。そのころの暮らしが、こんな形で残っているんですね。
かつて、山の恵に育まれた生活をしていたという三面集落。ダムの建設にあたっては、地域で発見された縄文時代の出土品や昭和の頃の生活器具など、三面の暮らしがわかるさまざまな品が保存され、下流にある「縄文の里・朝日 奥三面歴史交流館」に展示されることになったのだそうです。
100を超えるダム!
「コメジルシくん、どうだった?ダムは自然の力と人間の知恵を共存させて出来ているもの。そこが魅力だと思うよ。新潟県には100を超えるダムがあるから、それぞれの特徴や歴史を調べて見に行くのも楽しいよ」
県内にそんなにダムがあるなんて、知りませんでした!場所によってさまざまな形、自然の風景、そして歴史の面影まで楽しめるのがダムのいいところなんですね。
コメジルシくん、すっかりダムの魅力のとりこになってしまったようです。教えてもらったスポットを早速Instagram(@komepro_niigata)で投稿していました。
「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」では、これからも月に一回コメジルシくんが「達人」に魅力を聞いていきます。来月もお楽しみに!
※新潟県では、普段一般の方が立ち入ることができないダムの内部をご紹介するイベント「ダム見学会」を開催することがあります。日程や開催状況は各ダムによって異なりますが、開催の際には新潟県ホームページなどでお知らせしますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
この記事の内容は、新潟県広報番組「週刊 県政ナビ」のテレビ放送およびその動画配信でもご覧いただけます。
【週刊 県政ナビ】2020年10月11日放送