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コラム2021.08.22

鬼がいる島・佐渡島。鬼が舞い継ぐ『鬼太鼓』
~コメジルシくんが聞く!新潟の魅力~

シリーズ『コメジルシくんが聞く!新潟の魅力』では、誰かに伝えたくなる新潟の魅力をたずねて、コメジルシくんが県内各地を訪れます。

今回のテーマは、佐渡島の『鬼』。実は、佐渡にはたくさんの鬼がいて、春や秋に集落内を舞いめぐるのだそうです…!その背景には、金銀山の採掘を始めとする島の歴史があるのだと聞いて、さっそく佐渡を訪れました。

鬼が滅んでいない島…!?

金銀山をはじめとして、歴史的な遺産が島のあちこちに見られる佐渡。古代、中世、近世とさまざまな時代、さまざまな地域から人が集まり、島独自の文化がつくられていったのだとか。
そのひとつが、鬼たちが舞う『鬼太鼓(おにだいこ、おんでこ)』だといいます。

こちらは、佐渡金銀山の世界遺産登録国内推薦に向けて制作された動画『鬼が滅んでいない島』。佐渡の歴史や文化を象徴する場所で鬼たちが舞う様子が印象的です。

けれど、なぜ佐渡には、一般的には悪いものとされる鬼がたくさんいて、各地で踊るのでしょうか…?その答えを聞きに、出演者の方に会いに行ってみました!

佐渡の『鬼太鼓』

佐渡市新穂地区にある熊野神社。境内を拠点に鬼太鼓の練習や奉納をしているという青木青年会の川上さんは、動画『鬼が滅んでいない島』の出演者の一人。
鬼太鼓とは何か、何のために鬼が舞うのかを聞いてみると、快く教えてくれました。

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青木青年会 川上一貴さん

「鬼太鼓は佐渡島に古くから伝わる伝統芸能で、無病息災や五穀豊穣を祈るための儀式なんだよ。島内各地に鬼太鼓を舞う団体が100以上もあって、毎年祭りの時期になると近所を一軒一軒回って、家の前で鬼太鼓を披露するんだ」

川上さんの地域では、鬼は普段は神社の中にいて、祭のときになると地域に出てくるといわれているのだそうです。神社の中にいる鬼は、すなわち神様の化身なのだとか。

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熊野神社

「(鬼太鼓は)鬼がかっこいいんだよ。ヒーローなんだ。鬼が持つ太鼓のバチには、目に見えない悪いものを吸収する力があって、太鼓を叩くことで悪いものを浄化してくれるんだ」

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川上さん演じる鬼

「地域によって、鬼の姿も、踊り方もリズムも全然違ったりするんだ。僕たちの集落は鬼と獅子が登場するし、別の地域だと複数の鬼が一斉に舞ったり、薙刀(なぎなた)を持つだけで動かない鬼とか本当にさまざまなんだ。
これが正解っていう形はなくて、それぞれみんな特徴があって、その多様性が僕は面白いなと思ってます」

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現在わかっている範囲では、鬼太鼓という言葉が文献に出てくるのは江戸時代。金銀山の採掘がさかんになり、島の外からさまざまな文化が入ってきたことが影響しているといわれています。
今も集落によっていろいろな形があるという鬼太鼓。それぞれの地域の暮らしに合わせて、形を変えながら根づいているのがよくわかりますね。

佐渡に息づく伝統芸能

佐渡には鬼太鼓の他にもいろいろな伝統芸能があるのだと川上さんに教えてもらい、さらにお話を聞きにいくことにしました。
向かった先は、金井能楽堂。年間を通して、演能や様々な催しが行われている場所です。佐渡文化財団の宇治さんが佐渡の伝統芸能の種類や特徴を教えてくれました。

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佐渡文化財団 宇治美徳さん

「佐渡では、国の重要無形文化財でもある『人形芝居』をはじめ、佐渡民謡、能楽・狂言など、実に様々な伝統芸能が島内各地に今も息づいています」

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薪能に関する展示(佐渡博物館)

「佐渡は、島の外から伝わってきた文化的な要素が継承され、温存されやすい特徴があると言えるんだよ。さらに、金銀山による繁栄の結果、人々の暮らしの中に浸透していき、佐渡独自の多種多様な文化・芸能が今に継承されているんだ」

鬼太鼓や人形芝居、能楽…そんな数多くの伝統芸能が脈々と受け継がれ、今も島の人々の日常生活に溶け込んでいるなんて、すてきですね。佐渡の魅力は、美しい海景色や金銀山の歴史遺跡のような形あるものだけではなくて、島独自の伝統や歴史を守り継いでいこうとする、島の人々の心にもあるのかもしれませんね。

「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」では、コメジルシくんが新潟の魅力を聞いていきます。次回もお楽しみに!

「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」は、新潟県広報番組「週刊 県政ナビ」のテレビ放送およびその動画配信でもご覧いただけます。