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コラム2021.10.24

新潟のエディブルフラワー!食卓を彩る『食用菊』のおいしさと美しさ
~コメジルシくんが聞く!新潟の魅力~

シリーズ『コメジルシくんが聞く!新潟の魅力』では、誰かに伝えたくなる新潟の魅力を探して、コメジルシくんがさまざまな場所を訪ねています。

今回のテーマは『菊』。秋を代表する花のひとつで、見た目もとても綺麗ですが、菊の魅力はそれだけじゃありません。実は、新潟県では『食用菊』の栽培がさかん。菊の花の美しさだけでなく、味や食感まで楽しんでいるのです。というわけで、今回は全国的にも珍しいといわれる、食べる菊の秘密に迫ります!

菊を食べるのは当たり前?

新潟の人なら、『菊が食卓に上るのは当たり前のことでは?』と思う方も多いはず。秋になるとスーパーの野菜売り場や直売所で、袋詰めの菊の花をよく見かけます。ざるに上げて、芯から花びらを摘み取って、たっぷりのお湯で茹でて…なんて調理方法がすぐに思い浮かぶ方もいるかもしれません。

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けれど、菊の花びらを食べる地域は、全国的にはあまり多くないといわれています。花びらを調理して食べる食用菊の生産がさかんなのは、新潟県のほか、山形県や青森県など東北の一部地域。産地によって、品種や呼び方が違うのだそうです。
詳しいお話を、料理研究家の佐藤智香子さんにお聞きしてみました!

『かきのもと』、『おもいのほか』…

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料理研究家 佐藤 智香子さん

「食用菊は、新潟では古くから農家の庭先や畑の片隅で栽培されてきたんですよ。よく目にする紫色の品種は、下越では『かきのもと』、中越では『おもいのほか』とも呼ばれています。不思議な名前だよね」

たしかに、言われてみれば不思議な響き…。新潟県内でも同じ品種を違う名前で呼んでいるなんて、驚きです。
おいしく食べるには、どう調理したらいいんでしょうか?

「酢の物や漬物にすることが多いかな。酢と合わせることで色が鮮やかになるんだよ。県産食材のレシピを動画で紹介する『新潟ウチごはんプレミアム』のサイトでも、かきのもとを使ったレシピを掲載しているから、ぜひ見てね」

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郷土料理『かきあえなます』(『新潟ウチごはんプレミアム』より)

お殿様が愛した食用菊『りゅうのひげ』

「『かきのもと』の他にも、県内には『りゅうのひげ』という珍しい品種の菊もあるんだよ」

佐藤さんにそう教えてもらって、コメジルシくんが次に向かったのは、新潟市西蒲区のとある畑。

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「コメジルシくん、こんにちは。ここで栽培しているのは、『りゅうのひげ』という、とても貴重な品種の菊なんだ」

そう言って迎えてくれたのは、りゅうのひげ会の小倉 壮平さん。

「昔このあたりにいたお殿様が、この菊を使った菊ごはんが大好きだったんだって。でも栽培の難しさから、一時は絶滅寸前までに追い込まれたんだ。それをこの地域の農家が協力して、少しずつ復活させてきたんだよ」

そんな歴史があるんですね。絶滅しそうな品種を地域の皆さんで守るなんて、すごい!

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『りゅうのひげ』は鮮やかな黄色の花をつけます。

食べてみると、どんな特徴があるんでしょうか?

「ほかの菊よりも細く、シャキシャキ感が強いんだ。そして何より、この色鮮やかな美しさだね。おひたしの他、ごはんに混ぜたりおつゆに散らしたり、食卓が一気に華やかになるよ」

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「今はまだつぼみの状態で、旬は11月後半から12月にかけて。もう少し先になるけど、ぜひ味わってみてね!」

こんなふうに地域の伝統的な食材が受け継がれていくなんて、とっても素敵!鮮やかで華やかな『りゅうのひげ』、ぜひ食べてみたいですね。旬の時期が今から楽しみです。

おいしくて、きれい。新潟のエディブルフラワー・食用菊

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新潟の人にとっては身近な食材・食用菊。けれど、『ほかの県ではあまり食べられていないとは知らなかった!』とか、『黄色い食用菊があるなんて知らなかった…!』なんて方も多いのではないでしょうか。地域に根付いた食文化を大切にして、おいしくてきれいな菊の花をこれからも食べ続けていきたいですね。

「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」は、新潟県広報番組「週刊 県政ナビ」のテレビ放送およびその動画配信でもご覧いただけます。