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コラム2021.12.05

雪国に受け継がれる『安田瓦』、
その伝統からアートまで!
~コメジルシくんが聞く!新潟の魅力~

シリーズ『コメジルシくんが聞く!新潟の魅力』では、思わず誰かに伝えたくなる新潟の魅力を探して、コメジルシくんが県内のさまざまなところへ出かけていきます。

今回訪れたのは『瓦(かわら)のまち』とも呼ばれる阿賀野市保田地区。
雪が多く、風も強い新潟の冬。そんな雪国の気候から家々を守るべく、江戸時代から地域に受け継がれている『瓦』があると聞いて、その魅力を教わってきました!

安田瓦(やすだがわら)

この地域で作られているという『安田瓦』。一体どんなものなのか聞くため、まずは瓦工場にお邪魔しました。

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「安田瓦は阿賀野市で地域ブランドの認定を受けた伝統の瓦なんだよ。釉薬という色塗りをして、1,200度の高温で焼き上げるんだ」

そう教えてくれたのは、安田瓦協同組合理事長の遠藤和人さん。普段から工場見学で案内もしているんだとか。

「耐寒性、耐圧性に優れ、積雪、寒冷地仕様の雪国用の瓦として全国に知られているんだよ。焼き上がった瓦は光沢のある銀色。見てごらん、きれいでしょう?」

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安田瓦の瓦屋根。波打っているようにも見えて、とってもきれい!

よく見ると、取っ手のような形の瓦も。『雪止め瓦』といって、屋根の上に積もった雪が一度にどさっと落ちるのを防ぐ役割があるのだそうです。

瓦づくりは粘土づくり!1200℃に耐える土

「これが、安田瓦の粘土です。高い温度で瓦を焼くので、とっても火に強い土なんだよ」

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遠藤さんが見せてくれたのは、成型する前の粘土。この地域をはじめ、県内のいくつかの箇所から、1200℃の高温に耐えられる土を選んで使っているのだとか。「瓦づくりは粘土づくり」と言われるほど、土が大事なのだそうです。

その土を製錬し、瓦の形に成型し、乾燥させ、釉薬を塗り、炉で焼き上げて…と、たくさんの工程を経て瓦は作られていきます。

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成型の様子
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高温で瓦を焼き上げる炉。のぞき窓の向こうで、炎が真っ赤に燃えています。
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左から順に、成型後、乾燥後、焼成後の瓦。だんだんと小さく薄く、硬くなっていきます。

瓦アートがまちを彩る

「本来の風格ある鉄色に加えて、最近はモダンな現代建築に映える赤い瓦をつくるなどの工夫もしているんだ。固い瓦も、時代のニーズに合わせて柔軟に進化しているよ。屋根に使うだけじゃなく、新しい挑戦も進んでいるんだ」

新しい挑戦?と不思議に思うコメジルシくんが案内してもらったのは、工場の前の通り。道沿いの壁には、瓦を使った装飾がたくさん!

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「ここは、『瓦ロード』といって、瓦の生産工場が立ち並ぶところだよ。このエリアに訪れた人が瓦の装飾を楽しみながら散策できるように整備した通りなんだ。
1万枚にもなる瓦の装飾や、鬼瓦などの瓦アートも楽しめるよ。瓦をもっと身近に楽しんでもらいたくて作ったんだ」

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1500枚の瓦でできたバスの待合所

いろんな形の瓦が飾られていて、一つ一つ観察しながら歩くだけでも楽しそう!

安田瓦の魅力

最後に、改めて安田瓦の魅力をお聞きしました。

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「安田瓦の魅力は、やっぱり雪国ということで、強い瓦なんだ。みんなの家の屋根をこれからも守っていければ嬉しいと思います」

雪国の土から生まれ、雪国の屋根を守り続ける安田瓦。たくさんの過程を積み重ねて作り上げられていく製造工程にも、アートいう新しい切り口にも、新鮮な驚きがたくさん!これからも、強くて素敵な瓦を造り続けていってほしいですね。

「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」は、新潟県広報番組「週刊 県政ナビ」のテレビ放送およびその動画配信でもご覧いただけます。