ちんころ1
コラム2022.01.09

良縁を願う冬の縁起物『チンコロ』
受け継がれる伝統の技と想い
~コメジルシくんが聞く!新潟の魅力~

シリーズ『コメジルシくんが聞く!新潟の魅力』では、思わず誰かに伝えたくなる新潟の魅力を探して、コメジルシくんが県内のさまざまなところへ出かけていきます。

今回訪れたのは十日町市。十日町市内で受け継がれているかわいい縁起物があると聞いて、その魅力を教わってきました!

米粉でできた、その名も「チンコロ」

十日町市で毎年1月に開催されている「節季市」。なかでも、昔から親しまれている縁起物の「チンコロ」には、いつも大勢の人が行列をつくります。

一体どんなものなのか聞くため、中条ちんころ伝承会の皆さんを訪ねました。

ずらりと並んだチンコロ
いろいろな形があって、どれもかわいい!

「米粉を練って作っているので、飾っていると乾燥してすぐに割れて壊れてしまいますが、割れれば割れるほど、縁起が良いと言われています。1月の節季市や雪まつりで売られる以外はあまり手に入らない、人気の縁起物です。」
そう教えてくれたのは、中条ちんころ伝承会の岩田雅己さん。

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チンコロというのは「子犬」という意味で、子犬やその年の十二支の形を作ることが多いのだそうです。

2022年のトラ
2022年の十二支、トラも登場!

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ひびが入ってきたチンコロ。これも縁起がいい証!

この地域に昔から伝わるチンコロをなくしてはいけないということで、平成10年から活動を始めたのが「中条ちんころ伝承会」。昔ながらの作り方を受け継ぎ、地域の子どもたちにも教えているそうです。

米粉がかわいく変身!チンコロの作り方

「米粉を水で練った物を、棒状にして、1回蒸します。蒸した物をまた練って、餅状にしていきます。それを伸ばして、色を入れて、そこからそれぞれの形を作っていきます。」と、岩田さん。
さらに色つやをハッキリさせるため、最後の仕上げに少しだけ蒸して、ようやく完成です。
米粉を粘土のように水で練って作っているのかと思いきや、予想以上に手の込んだ工程でした!

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真ん丸のお団子が、あっという間にかわいい子犬に変身!器用な手先で次々と作られていきます。
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3色に込めた願い

中条ちんころ伝承会が作るチンコロに使われている赤と緑と黄色。この3色には、ある願いが込められているそうです。

色の意味

「緑は人徳。それから赤は健康、黄色は財力。そういったものが豊かになるようにという願いを込めて作っています。この3色に願いを込めるのが私たちの大事にしていることのひとつです。」と教えていただきました。

うしろ
後ろ姿もかわいい!
いぬねこうさぎ
うさぎはニンジン、犬はまり、猫は魚など、持ち物は決まっているのだそう。

チンコロの魅力

最後に今後の目標について伺うと、「ずっと伝えていくことができたらとっても嬉しいし、チンコロ作りの楽しさだけでなく、これを買ってくれる人が喜んでくれることを思い浮かべながら作ることができたら素敵だなって思います。」とのこと。

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犬、猫、うさぎ、鳥・・・いろいろな種類がある上に、ひとつひとつ表情が違って個性豊か!

かわいい姿の中に、明るい未来への願いと、手にする人に喜んでもらいたいという想いが込められたチンコロ。寒い冬のあったかい魅力に出合うことができました。

「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」は、新潟県広報番組「週刊 県政ナビ」のテレビ放送およびその動画配信でもご覧いただけます。

※今年は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、毎年1月に開催されていた「節季市」は中止となりましたが、「チンコロ販売会」は1月10日と23日に開催されます。
詳しくは、十日町市役所や十日町市観光協会のホームページをご覧ください。

十日町市ホームページ 十日町市観光協会ホームページ