今年で通水100周年!
大河津分水が守ってきたものとは…
~コメジルシくんが聞く!新潟の魅力~
シリーズ『コメジルシくんが聞く!新潟の魅力』では、思わず誰かに伝えたくなる新潟の魅力を探して、コメジルシくんが県内のさまざまなところへ出かけていきます。
今回訪れたのは燕市。
今でこそ米どころとして有名な越後平野ですが、かつては度重なる信濃川の氾濫などで大きな被害を受けたりと、稲作には不向きな土地でした。
そんな越後平野を救ったのが、大河津分水です。今年は大河津分水に水が通って100周年の年。
今回は、大河津分水の役割や仕組み、そして今も進化し続ける魅力を教わってきました!
越後平野を守るための人工河川
大河津分水は、信濃川の氾濫から越後平野を守るためにつくられた人工の河川です。
信濃川の水があふれて水害にならないように、信濃川の洪水を日本海へ流しています。
「天候や水の量、災害の状況などに合わせて、「可動堰(かどうぜき)」や「洗堰(あらいぜき)」と呼ばれる水門を開けたり閉めたりして、下流に流れる水の量を調整しているんだよ。例えば下流の新潟市に大雨が降っている時は、洗堰を閉じて、上流から流れる水の全部を、大河津分水路から日本海へ流すの。」
そう教えてくれたのは、信濃川大河津資料館の小甲 由利子(こかぶ ゆりこ)さんです。
信濃川大河津資料館は、信濃川のすぐそばにある大河津分水を紹介する資料館です。
大河津分水が完成するまでの経緯や堰の仕組みなどを、模型や映像など豊富な資料を用いて紹介しています。
進化し続ける大河津分水
今年は、大河津分水に初めて水が流れてから100年の節目の年。
100年もの間たくさんの水を流してきたため、川底が深く削られたりして、このままでは洪水の際に水を安全に流せない心配が出てきました。
そこで、大河津分水路の中で一番川幅が狭い河口を100m拡げる工事が行われているのです!
この工事は2015年に始まって、2032年まで18年かけて行われる予定なんだそう。
これからも新潟を守るため、大河津分水は進化し続けているのですね!
資料館だけじゃない!大河津分水の魅力とは…
信濃川にまたがる「洗堰」は、すぐ近くで見学することができます。
洗堰から流れる水量は、1秒間で25mプール1杯が満杯になるくらいだとのこと!
普段はこうして信濃川に水を流し、信濃川下流域が洪水の時は洗堰を閉じて、上流から流れてくる水の全量を大河津分水路から日本海へ流します。
間近で見ると、その迫力に圧倒されます!
また、新潟県健康ウォーキングロードに登録されている「信濃川おいらん街道」コースの散策や、川遊びができる「体験水路」もあります。
おすすめは国の登録有形文化財に登録されている「旧洗堰」。
大正11年に造られた当時の姿が保存されていて、今はゲートの下をくぐり抜けられるようになっているそうです。
さらに、100年間続く桜もとてもきれい!毎年多くの人の心をつかんでいます。
あたたかくなったら、ぜひ訪れたいスポットのひとつですね。
大河津分水への思い
案内してくれた小甲さんに大河津分水への思いをたずねると、「いまの新潟県があるのは大河津分水のおかげなんだ。日本一の米どころも、私達が暮らす街も、大河津分水がなかったら無かったかもしれないから。100年もの間、私たちの暮らしに寄り添ってきた大河津分水に、ありがとうというキモチです。」と、語ってくれました。
信濃川と共存する私たちの暮らしを守る大河津分水は、知れば知るほど奥深い新潟の魅力。
自然豊かな新潟の暮らしは多くの人の手によって支えられているのだと、大河津分水は教えてくれているのかもしれません。
「コメジルシくんが聞く!新潟の魅力」は、新潟県広報番組「週刊 県政ナビ」のテレビ放送およびその動画配信でもご覧いただけます。
「にいがた当たり前品質100」でも、大河津分水の魅力が紹介されています。こちらもぜひご覧ください。
先人の苦労のおかげで今がある。私たちの当たり前な暮らしを守り続ける大河津分水