新潟のつかいかた

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子育ての経験を生かして、
子連れでゆっくりできる
食堂をオープン!
kocher(コヘル)店主
佐藤聡恵さん Posted | 2020/02/19

新潟にU・Iターンした「ニイガタビト」のコラム。
新潟でのリアルな暮らしをご紹介します。

佐藤聡恵さん

Profile kocher(コヘル)店主 佐藤聡恵(さとうあきえ)さん

1983年生まれ。秋田県大仙市出身。地元の高校を卒業後、東京の大学に進学。大学当時に出会った現在の夫が南魚沼市で就職したことから、自身も栄養士として南魚沼市の保育園に就職。

その後、結婚し、夫の転勤に伴い新発田市、佐渡市へと移り住み、5年ほど前に新発田市に定住。2017年、市内に食堂kocher(コヘル)を開店。1人で店を切り盛りしながら、3人の子どもの母親としても忙しい日々を送る。

東京での学生生活を経て、新潟へ

秋田県で生まれ、高校を卒業するまで秋田で育ちました。その後東京の大学に進学し、同じ秋田県出身の夫と出会いました。私よりも学年で1つ上の夫は、先に卒業、就職し、縁あって新潟県で働くことになりました。正直、新潟は学生の頃にスノーボードをするか、夏にフジロックフェスティバルに行くくらいで、もちろん私には知り合いは誰もいませんでした。しかし、1年後に自分が就職活動をすることになった時には、夫との遠距離が耐えられず、新潟で仕事を探しました。

当時は管理栄養士の国家試験の勉強や就職活動の合間を縫って、しょっちゅう新潟へ遊びに行っていました。夫が住んでいた南魚沼市はとにかく自然が美しくて、特にそびえ立つ山々は圧巻でした。夫の車を借りて新潟の広い道路でたくさん運転させてもらったのが、私の今の運転好きにつながっているかもしれません。また、新潟の大自然の中でお金を使わないたくさんの遊びを楽しんでいるうちに、新潟への移住の抵抗がなくなっていたように思います。

大学卒業式の写真

県内を転々とし、新発田市に定住

大学卒業後、南魚沼市の保育園に栄養士として就職しました。その後結婚し、その数年後、夫が新発田市に転勤になったので、私も仕事を辞めてついて行きました。そこで3年暮らし、その後佐渡市で3年暮らしました。佐渡から次の転勤地に行くタイミングで長男が小学生になることもあり、新潟県内のどこかに家を建てようということになりました。以前住んだことがあり、実家のある秋田にも帰りやすいことから、新発田市で土地を探し始めました。

市街地に住むことも考えたのですが、私も夫も秋田、しかも田舎の方の出身なので、家から田んぼや山が見えるところが良かったのです。当時は佐渡に住んでいたのでインターネットで探すしかなく、たまたま売りに出されていた今住んでいる土地を見て、次の週末に船に乗り、見に行きました。その時に見た二王子岳がとってもきれいで、すぐにその場所に決めました。

佐藤聡恵さん宅

kocher(コヘル)を開店!

私自身、子育ての経験から「子どもを連れてゆっくり外食できるお店があったらいいのに」とよく思っていました。もともと料理やお菓子作りは好きだったので、だんだん「もしお店を作るとしたら…」と想像が膨らんでいきました。また大学で栄養学を学んだことや、子どもが産まれて食の安全を気にするようになったことから、安全な食材を使って、安心して食べられるような食事を提供したいと考えるようになりました。

数年間そのようなことを考えては、「でも無理だろうな…」の繰り返しでしたが、子どもが小学生になり、新発田市に家を構えたこと、条件に合った物件を借りることができたことで、「やってみよう!」と思い切って一歩を踏み出しました。

私の店、kocher(コヘル)は地元の食材を中心に使った、定食とカレーがメインの食堂です。子ども用のメニューもご用意しています。雑貨の販売も行っています。お客さまは、お子様連れのママさんグループが多いです。ランチタイムを過ぎても営業しているので、お昼ごはんを食べて、その後お茶やお菓子を追加して、長居される方もいます。お母さんたちはおしゃべりをして、赤ちゃんは座布団の上で寝ている――私もこういう場所が欲しかったので、そんな様子を見ると、とてもうれしくなります。

kocher(コヘル)で提供する定食

自然いっぱいの新潟は楽しい!

個人的にはフジロックフェスティバルが好きなので、「今年は行きたい!」と思った時に気軽に行けることが新潟の魅力です。一昨年、結婚10周年記念ということで、子どもたちを秋田の親に預けて、夫と二人で3日間たっぷり満喫しました。

新発田は山あり海あり川ありと自然に恵まれていて、アウトドアも、近場で楽しむことができます。登山、釣り、キャンプ、海水浴、川遊び、スキーとひととおりのことが市内で楽しめます。

食べ物もおいしいですし、不満は特にありません。新潟市にもすぐに行けますし、秋田にも近い。子どもたちが小さいうちは、実家にもよく帰るでしょうし、いろいろ考えるとベストだったかなと思います。

フジロックフェスティバルに行ったときの模様

kocherを「いろんな人が集える場所」に・・・

kocherは一軒家なので、私一人が食堂としてだけ使うのはもったいないと考えていました。私自身が講師になり、店でも提供している果物を使った「自家製シロップ」作り教室を開催したこともありましたし、講師の方をお呼びして教室を開くこともありました。今後は、もっと定期的に講座を開けたらと思っています。

食事をしに来るだけでなく、楽しいことがあるから行きたいと思っていただけるようなお店にしたいです。また、この場所を使って教室を開きたい方などには、ぜひ来てもらいたいです。

また、私自身の経験から、転勤などで引っ越してきて、心細く感じている方にも、ここに来たら寂しくないと思えるような「居場所」にできたらなと思います。

イベント出店の様子

新潟暮らしを考えている人へ

南魚沼、新発田、佐渡と暮らしてきましたが、どの場所もとても良かったです。県外出身者の自分に興味を持ってくれて、みなさん優しくしてくれました。新潟はどこで暮らしてもきっといいだろうなと思います。だから、安心して移住してくださいと伝えたいですね。

ご近所の方から野菜や釣った魚を分けてもらうことも多いのですが、特に子どものつながりがあると、こういった密な関係が作りやすいです。そういう意味では子どもたちに感謝ですね。つながりがないという方は、ぜひkocherに来ていただいて、一緒につながりを作りましょう。

佐藤聡恵さんとお子さん

この企画は、にいがたU・Iターン総合サイト「にいがた暮らし」「ニイガタビト」の出張版です。2019年2月15日に掲載されたこちらの記事を転載しています。

【関連リンク】

web:食堂kocher(コヘル)

他にもいろいろ、新潟の暮らしかた