【横澤夏子 新潟子育てトークセッション】
考え方の方向転換が大事!?
新潟での子育て支援&魅力を語る | Page 2
目次
支援拠点数1位、保育士数2倍、
子育てに優しい環境が充実
「子育てに優しい新潟県」をスローガンに、育児におけるさまざまな情報、環境、文化、取り組みなどを発信している新潟県。とはいえ「子育てに優しい」ってどういうことなのでしょう? 実際にこんな質問が届きました。
質問・お便り 3通目
「子育てに優しい新潟県」と謳っていますが、具体的にどの辺がやさしいのでしょうか? 安心して子育てができる環境とは、具体的にどのようなものがあるでしょうか?
(ぺりかん)
この質問を受け、「安心して子育てができる環境」という点で2つの例をあげた横澤さん。
「ひとつは、新潟県は地域子育て支援拠点数が『全国1位』ということ。そしてもうひとつは、1歳児に対する保育士さんの数が『国の配置基準の2倍』ということ。2つともすごい数字だと思いませんか!?」
「地域子育て支援拠点」とは、子育て中の親子の地域交流を促進したり、育児相談・援助、情報提供、講習などを行う場所を指します。新潟県にはそのような拠点が232か所あります。0~4歳の人口1000人あたりは3.7か所と、全国平均の2.0か所を1.7ポイントも上回っていて、全国1位となっています。(出典元:こども家庭庁「令和5年度・地域子育て支援拠点事業実施状況」)
地域子育て支援拠点が多いということは、孤立や不安を感じる保護者に寄り添う体制や、地域で親子を支える取り組みが充実しているということ。これらの数字からも「子育てに優しい県」といえるでしょう。詳しくはこちらの記事もご参照ください。
そして新潟県の子育て支援のなかで一番魅力に感じる施策を横澤さんに問うと、「1歳児に対する保育士の数」だといいます。
国の基準では、6人のこどもに対して1人の保育士を配置することが定められています。一方で新潟県では、1歳児に対する保育士の数を国の配置基準の2倍、つまり3人のこどもに対して1人の保育士が割り当てられています。
新潟県では、1歳児にも0歳児と同様の手厚い保育を行うため、平成2年から1歳児3人のこどもに対して1人の保育士配置を行っています。
また、保育の質向上を目指して活動を続ける〈新潟県私立保育園・認定こども園連盟〉が2019年に行った「関わり・見守りのシミュレーション」の調査結果では、保育所からこどもへの声かけの回数について、こども6人のグループのときは、3人のグループのときに比べ、「声をかけられる子」と「声をかけられない子」の差が大きかったことが報告されています。シミュレーションにおける調査報告についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
「1歳児6人を、先生ひとりで……って絶対無理ですよね!? ギャン泣きのこどもをおんぶして、抱っこして、先生たちはもう汗だくですよ。親としても、3人に1人という手厚さで目や心が行き届くというのはありがたいなと思います」
「地域子育て支援拠点」の多さについては、トークセッション第1部のシホさんファミリーの悩みを振り返りながら、「頼れる人、甘えられる先を見つけたいっておっしゃっていましたけど、新潟にはたくさんあると、あらためて伝えたいです!」と語りました。
質問・お便り 4通目
来春、小学生になる息子がいます。入園したと思ったら、すぐに小学校入学。こどもが育つのは、早いものですね。ランドセルは祖父母が買ってくれるというのですが、またいろいろとお金がかかりそうだなーと思っています。物価も高くなっているし……。
(りくママ)
止まらぬ物価高騰で、子育て世帯にも大きな負担がのしかかる昨今。横澤さんもうんうんと相槌を打ちながらお便りに耳を傾けます。
「うちの長女も2年後には小学校に入学するんですけど、今年の12月にはランドセル活動、つまり『ラン活』が始まるんですって! 娘に『何色がいい?』って聞いたら『レインボーがいい』って(笑)。なんにせよ、お金がかかるんですよね。そんな入園・入学の経済的負担が大きい節目にうれしい支援が受けられる新潟県の取り組みがあるんです」
と紹介してくれたのは、2023年10月にスタートした制度「新潟県こむすび定期」。2歳と5歳の頃に満期となる「お子様名義の定期預金」口座を開設し、満期のタイミングで5万円ずつ、合計10万円が県から支給されます。
さらには、取扱金融機関から金利の上乗せや、ベビーグッズ、絵本、商品券などのプレゼントもあり、官民をあげて子育て世帯を応援する取り組みとなっています。詳しくはこちらの記事もご参照ください。
「お金がかかるタイミングに支給されるのは有り難いですね。結局子育てにはお金がかかるんですよ。服もどんどんサイズアウトしたり、泥だらけでボロボロになって買い替えたり。食費もかかるし。正直、こむすび定期はうらやましい!」
近年は児童手当の支給や、3~5歳までの幼稚園・保育所・認定こども園の利用料無償化など、国としての支援も拡充しています。ですが、成長の節目に発生する金銭的負担にも目を向けるのは、まさに「子育てに優しい新潟県」らしい制度といえるのではないでしょうか。