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新潟女性の仕事と育児。
女性の育休取得率が90%以上、
35〜39歳の労働力率が全国6位

2023.9.13

仕事と子育てを両立するためには、職場の理解あってこそ。今回は、新潟県の女性の働き方について、データをひも解いていきます。はたして新潟県は、母親になった女性が働きやすい環境なのでしょうか?

新潟県の女性の育児休業取得率は90%以上

会社勤めの女性が自宅で赤ちゃんを抱っこするイラスト

新潟県の女性の育児休業取得率は、2022年度で91.5%(厚生労働省「雇用均等基本調査」、新潟県しごと定住促進課「新潟県賃金労働時間等実態調査」)。全国平均の80.2%と比べると、11.3ポイントもの差があります。

育休取得率の推移を見てみると、2011年(92.3%)以降は2019年(88.9%)を除いてすべての年度で90%以上。最も取得率の高い年は、2016年の99.5%でした。全国平均は90%を超えたことがないので、新潟県ではかなり多くの方が育児休業を取得しているようです。

もちろん出産や育児は女性だけのことではありません。男性の育児休業取得率はというと、2022年度の全国平均17.13%に対し、新潟県は27.7%(厚生労働省「雇用均等基本調査」、新潟県しごと定住促進課「新潟県賃金労働時間等実態調査」)。2019年までは全国平均と同様に10%未満でしたが、2020年に12.8%と10%を超え、全国平均の12.65%より高くなり、2022年度には全国平均より10%以上高くなりました。

全国に比べると、新潟県の男性の育児休業の取得率は高めとなっていることから、企業による育児休業取得の取り組みなどが進んでいるようです。

35〜39歳の労働力率が全国6位=出産や育児で会社を辞める人が少ない

同じ女性が、赤ちゃんを抱っこする様子とパソコンで仕事をしている様子のイラスト

現在の日本は、まだまだ女性のほうが、ライフステージの変化によるキャリアへの影響が出やすい社会といえるでしょう。それを象徴しているのが、女性の年齢層別に労働力率をグラフにしたとき、特徴的な曲線が現れる「M字カーブ」。

「女性の年齢階級別 労働力率」の折れ線グラフ

結婚や出産を機に仕事を辞め(M字カーブの底)、育児がひと段落したらまた働きだすという傾向が見てとれるのですが、そのM字カーブが、全国に比べて新潟県は緩やかです。

全国的にM字カーブの底にあたる年齢階級は35〜39歳ですが、その労働力率を都道府県別にみると、新潟県は85.9%と全国6位(2020年総務省「国勢調査」)。1位は山形県と島根県の87.8%。気になる東京都はというと、26位の79.3%です。このため、新潟県の女性は仕事を辞めずに働くことができていると考えられます。

また、新潟県の共働き率は56.4%と、全国平均の51.6%よりも高め(2020年総務省「国勢調査」)。こういった結果からみても、出産や育児によりキャリアを諦めずにすむような環境にあるといえるのではないでしょうか。

子育てしながらキャリア形成しやすい

新潟県の女性は、正規雇用の職員・従業員の割合が44.7%と、全国平均の41.1%よりも高く、勤続年数も長い傾向があります(2020年総務省「国勢調査」)。だからこそ、育児休業取得率が高いのかもしれません。

これらの数字から見えてくるのは、職場の育児休暇に対する理解があるということではないでしょうか。そして、ライフステージの変化による仕事への影響が少なく、全国平均と比べても子育てしながらでもキャリア形成のしやすい県といえそうです。

credit | text:栗本千尋 illustration:killdisco

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