子どもが素足で走り回り、
傷をつけても構わない。
阿賀野市・カフェオーナーの家 | Page 2
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木が育む子育ての味わい
釣りが趣味だという中澤さん。それゆえアウトドアなテイストを感じられるログハウスを選び、薪ストーブも導入しました。木のぬくもりを存分に感じさせる内装。無垢の木材には、味わいがあります。
伝統的日本家屋で育った中澤さんが、このログハウスが「じんわりあたたかい」と言います。保温性が高く、薪ストーブやエアコンの使用も最低限でいいとのこと。
「うちの実家は家の中に入っても外の寒さなので(笑)」
日本家屋は隙間も多く(それが魅力でもありますが)、ここは雪が降る地域。子育てにおいて、室温としても、気持ちとしても、あたたかさは重要かもしれません。
「子どもは走るし、転ぶ。そんなときでもコンクリートやほか床材とはぜんぜん違います。裸足で歩いて気持ちいいことが一番ですよね」
3歳の長男は、自分が走る以外にも、車を走らせるのが大好き。そんなときにも木の家はいいのだとか。
「うちの子は〈トミカ〉(ミニカー)が大好きなんです。もう200台くらい持っています。それを家中で走らせています。映画の真似をして高いところからジャンプさせたり、投げたり……。だからよく見たら床も壁も細かな傷だらけなんです。普通の家だったらめちゃくちゃ怒られるんだろうなと」
もしくは、そうやらないように誘導していたことでしょう。しかし中澤さん夫婦は全然気にしないといいます。細かな傷も、味わいとともに思い出になっていく。それが木の家で子育てする最大の利点かもしれません。
この家を建てる際、カタログの本来の間取りから、2階の1部屋を減らしたといいます。
「子どもを部屋にこもらせたくないので、部屋をひとつ減らして広いスペースを確保しました。いまも一応子ども部屋のようなものはあるのですが、この1年間、ほとんど使っていませんね。部屋の中で遊んでいたら、なにかあったときに気がつきにくい。でもこの間取りなら、どこにいてもお互いの声が聞こえます。今は3歳ですが、小・中学生になっても、きっとあまり変わらないと思います」
取材中も、インタビューをしているダイニングテーブルの周りや、リビング、1階と2階をずっと往復していました。取材陣に臆することもなく、目の届くところで元気にトミカを走らせていました。