家は箱である。
子どもの成長にあわせて柔軟に対応できる
新潟市角田浜・写真家の家 | Page 2
目次
「箱」であれば、
子どもの成長に合わせて変えていける
定位置に座って絵を描くのが好きというお子さん。「こんなに自然に囲まれているのにインドア派」と麻貴さんも笑います。
「確かにあまり出たがりません。でも、それも家が窮屈ではないからだと思うんです。静かにしていなければいけないような家だったら、もっと外に出たいんだろうと思うんです」と浩二さん。
もともと開放感のあるようにリベーションしましたが、住み始めてから4年後にお子さんが産まれました。それによって家の中で大きく変えた部分はないそうです。
「ペレットストーブが危ないから柵をつくったくらいですね。ほとんど変えていないです。結構、そういうアレンジもやりやすい家だと思います。家は“箱”でいいと思っているんです」
家族構成の変化によっては、「リビングをまたリノベーションすればいい」と話します。箱であると考えていれば、その中身はアレンジしやすい。お子さんが中学校、高校と進学していけばそれに従って変化していけばいいし、家から巣立ったあとはまた自分たちの使いやすいようにアレンジすればいいのでしょう。「どのようにもできる」家は、子どもの成長や家族の変化にフレキシブルに対応してくれそうです。
家だけでなく、「田舎」ならでは人付き合いも、吉沢さんは魅力に感じています。
「このエリアには豊かに暮らしている人が多くて、自分の畑で採れた野菜をくれるおじいちゃん・おばあちゃんもたくさんいます。それが本当においしいんです。釣った魚を持て来て捌いてくれる人もいます。いつもそういうありがたい体験をできる。そしてそれを娘にも体感させてあげられるんです」
お子さんは4月から小学生。このエリアでは1学年が10人前後です。それだけに地域で子育てを行う意識は高いそう。
「集団登校を見守る地域のボランティアのおばちゃんがいて、その活動が活発なんです。子どもたちはおばちゃんたちと話しながら通学しています。田舎の人付き合いがめんどくさいという話はよくあるじゃないですか。
正直にいうと私もあまり得意とはいえません。でもここはちょうどいい。自分の孫のように、地域の宝のように扱ってみんな名前も覚えて声をかけてくれるけど、グイグイくるわけでもない。ちょっと歩いていたら、わらしべ長者みたいに焼き芋とかスイカとか、いろいろなものをもらってきますよ(笑)」(麻貴さん)