新潟のつかいかた

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里山の風景を後世に残そう!
日本一の棚田県・新潟が推進する
〈棚田みらい応援団〉プロジェクト | Page 3 Posted | 2024/12/23

〈棚田みらい応援団〉の活動実績&参加方法

棚田みらい応援団の参加人数は、年々大きく飛躍しています。2023年度は151人だったところ、2024年度は288人。2025年度はさらなる増員が期待されます。それと比例するように、活動回数や活動地域も拡大しています。

〈棚田みらい応援団〉が地域の交流人口を増やす

これまでの活動では、田植えや稲刈りを中心に行い、中山間地域を盛り上げてきた棚田みらい応援団。

そのほかにも、草刈りや農水路の整備、倒れた稲を刈る作業など、困りごとに合わせた活動を展開しています。活動を通じて地域課題の解決に導くのはもちろん、交流人口を生み出すことで社会貢献につなげていくのが棚田みらい応援団の特徴です。

棚田周辺の木を伐採中
田植えや稲刈りだけでなく、棚田の環境整備もプロジェクトの一環
六角田植枠をころがして、田んぼに田植えの目安となるマス目を描いている
傾斜があり、せまい棚田の農道には重機の乗り入れも困難。伝統的な農機具を使うのも棚田ならでは。

佐渡市歌見の「鬼の田植え」では、農作業がひと息つくと地元の方々や参加者同士の交流会が開催されました。一緒に汗を流した仲間同士、棚田米や味噌汁、地元の山菜などが振る舞われ、地元ミュージシャンによるコンサートを堪能する。「歌見を少しでも好きになってほしい」という地元の人々の思いにも感動する体験となりました。

羽釜で炊き上げられた棚田米
農作業が終わると羽釜で炊いた炊きたてのお米が。
ギターを弾きながら歌を披露する地元の方
田んぼでの活動が終わると地元の方々からのおもてなしも。

棚田が生み出すおいしいお米、美しい景観を守ろう

手押し型の水田中耕除草機で田んぼの除草を行なっている

山間地特有の寒暖差や清らかな水を活かし、おいしいお米が生産される棚田。棚田の保全は、食味の良いお米をつくるだけでなく、伝統文化の継承、自然環境の保全、農村の原風景の形成など、多様な役割を果たします。

そして、秋口になると早朝に雲海が現れる十日町市の「星峠の棚田」や、海沿いの集落から標高350メートルを超える山間に位置する佐渡市の「岩首昇竜棚田」など、新潟には四季折々の表情を見せる棚田が数多くあります。

いま、棚田みらい応援団の活動を通して、棚田保全の重要性を再認識されようとしています。現在は企業、団体、学校単位での参加が中心となりますが、来年度以降は個人での参加受け入れも始まる予定とのこと。県外からもたくさんの参加希望者が集まりそうです。

【棚田みらい応援団】
web:にいがた棚田ネット

credit text:松永春香