新潟のつかいかた

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ドローンを使った米づくり!?
農業ベンチャーが挑戦する
スマートでかっこいい農業 Posted | 2019/11/02

収穫量全国1位! 新潟の米づくりが変わろうとしている

「新潟のおいしいもの」と聞いて、まず最初に思いつくのは……お米という方がほとんどではないでしょうか。

それもそのはず、新潟県は作付面積・収穫量ともに全国1位。品種も豊富でみなさんお馴染みの〈コシヒカリ〉、他県では栽培が認められていない〈こしいぶき〉、コシヒカリに負けないおいしさを追求し新たな新潟の顔となるべく誕生した〈新之助〉など、たくさんのブランド米が親しまれています。そんな新潟の米づくりがここ数年で変わろうとしているのを知っていましたか?

稲穂
コシヒカリ、こしいぶき、新之助の稲穂
左からコシヒカリ、こしいぶき、新之助。こしいぶきの稲はコシヒカリよりも背丈が低く倒れにくいという特徴があります。

半信半疑だったスマート農業に一歩踏み出したキッカケとは!?

新潟県の県庁所在地で人口最大の都市、新潟市。その中心地から車で30分程度走ると田園風景が広がります。そこで、ドローンやアプリを駆使して農作物を育てる、新時代の農業「スマート農業」に挑戦している会社があります。

〈有限会社米八〉は、稲作を中心に大豆や麦を栽培しています。スマート農業を取り入れた米づくりを始めたのは2015年。なにかキッカケはあったのでしょうか?

田植え機
コンバインで稲刈り中
スマート農業を活用することで農作業における省力・軽労化を進めることができるだけではなく、高品質な農作物の生産や、新規就農者の確保や栽培技術力の継承が期待できるはず。

「スマート農業というものがあることは知っていたし、少し興味も持っていました。ただ、これまでの方法でおいしいお米をつくることはできているし、何から手をつけていいかもわからない。それに設備投資などでお金もかかるような気がして、なかなか踏み込めなかったんです」と、語る代表の加藤誉士寛(かとうよしひろ)さん。

2014年5月に新潟市が国家戦略特区に指定されたことで、規制緩和を活用した事業に加え、ICT技術を持った企業や農業ベンチャーと連携したプロジェクトが立ち上がるようになりました。

「その頃、市職員の方に水田センサーから始めてみませんか? という話をもらったのがキッカケでした。やってみて目から鱗。導入した効果をとても感じました。水田を利用した水稲栽培の場合、水温や水位の管理が栽培のカギになるんですが、水の見回り作業だけでもけっこう大変なんですよ。水田センサーを導入したことで、スマホやパソコンでいつでもリアルタイムに水田の状況をチェックできるようになったので、見回りの回数と時間が劇的に減ったんです」と加藤さん。

水温や水位に加えて、風向きや風速、降水量、湿度、土中温度なども計測できるように設定されています。これらのデータの蓄積が、加藤さんの米づくりに生かされているようです。

水田センサー
水田の水温や水位をいつでもどこからでもモニタリングできる水田センサー。暑かった今年の夏は特に設置したメリットを感じられたようです。
スマホでデータをチェックする加藤さん
それぞれの農作業から集約したデータを営農管理システム(IT版作業帳)で一元管理しています。「どこにいてもチェックできるし、社員みんなで共有もできるので本当に助かっています」と、加藤さん。
農作業用ドローンが飛行中

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米づくりが変わる!?


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