新潟のつかいかた

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使うとよりわかる、美しさ。
「用の美」の柳宗理デザインを
形にする〈日本洋食器〉 | Page 2 Posted | 2018/12/15

ミリ単位の美しさを、職人の感覚と経験で仕上げていく

「柳宗理先生は頭で考えるよりも手で考えられる方でした。試作と修正を何回も行き来するなかで、途中で工程や金型を新しくつくり直すこともあるほど。長いものは1年以上かけて商品化していきます。工程を省いて安くつくることはできるかもしれませんが、それは“柳宗理デザイン”ではありません」

まずはモックとして石膏などで型をつくり、実際に手で持った感触からブラッシュアップをし、そこからようやく図面に起こします。図面ではなく、手からの感覚を製品に落とし込むのです。その“手でつくる”という精神は、工場の職人たちの手仕事からも感じることができます。

ロングセラーである〈つや消しステンレスケトル〉のつや消し作業
少し平べったい形が特徴の、ロングセラーである〈つや消しステンレスケトル〉のつや消し作業は、熟練の職人たちがひとつずつ手作業で行います。
ステンレス製スプーンを自動研磨機へ
ステンレス製の小さなサイズのスプーンは、人の手で一列に並べて自動研磨機へ。摩擦の熱で一帯の温度は上昇気味で「冬はちょうどいい暖かさだ」なんて話しながらも、その手はノンストップで動き続けます。

ミリ単位で調整された柳宗理デザインの製造で特に難しいのは、微妙な角度をつけること。手にフィットするカトラリーの柄、縁が丸くラウンドしたスプーンなど、口に運ぶことでより一層計算された美しさを感じることができるはずです。

おたまの製造風景
おたまの製造風景。ロールした金属を数回プレスする「つぼ押し作業」によって、絶妙な丸みをつけていきます。どのくらい圧をかけるのかは職人が気温や素材によって調整します。
商品に合わせた金型
それぞれの商品に合わせた金型がずらり。何種類の金型があるか、「多すぎてわからない」のだそう。

技術が確かな職人と会社が一緒にものをつくってきた燕三条。そのため自社内ですべて完結するのではなく、ものが行ったり来たりしながら地元みんなで完成形をつくる伝統があり、日本洋食器でも金型制作は地元企業と一緒に行っています。つくることに対して真摯な人が集まっている地域だからこそ、細部まで妥協しないものづくりが実現できているのでしょう。

規定外のものがないかを鋭く手早くチェック
ベテランスタッフも多く、各工程で規定外のものがないかを鋭く手早くチェック。掴んで広げて確認までを流れるような手つきで行う様子は、工場内で「扇の舞」と呼ばれています。
日本洋食器の工場内での作業風景
柳宗理デザインのカトラリー

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のつくりかた


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