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子どもの健康を守り、
自然環境へも配慮する。
南魚沼市・米農家&DJの家

2023.12.8

気密性を高めた家で、子どもを乾燥から守る

米どころの新潟県には、たくさんの米農家がいます。田園地帯に暮らす彼らはどのような家に住み、どんな子育てをしているのでしょうか。

南魚沼市の米農家で「第17回お米日本一コンテスト in しずおか」で最高金賞を得たことがある〈こまがた農園〉の駒形宏伸さん。実はDJ CO-MAとしてDJの世界大会で優勝したことがあり、当サイト『新潟のつかいかた』のキャンペーンアンバサダーを務める〈Creepy Nuts〉のDJ松永さん(長岡市出身)のDJの師匠でもあります。

こまがた農園は1777年から続く米農家で、駒形宏伸さんは10代目。家を建てる前までは、父や祖父の代からある家に改築・増築を繰り返し、複雑な構造の家になっていたようです。駒形さんは昨年(2022年)、自宅を建てました。

駒形さん邸のリビング
3世代(&ワンちゃん)が集う1階のリビング。

かつては建坪が100坪ほどありました。使っていない部屋ばかりで手に余っていたので、駒形さんは70坪ほどに減築。広い分だけ、特に寒冷地域においては寒さ対策が必要になってきます。

「前の家は結構ガタがきていましたし、リフォームを繰り返していたので、統一感がない家になっていたんです。例えば3部屋の壁を抜いていたりして、同じ部屋なのに片やサッシ1枚、片や2重サッシになっていたり。あっちも扉、こっちも扉みたいな(笑) だからとても寒くて、冬は灯油ストーブとペレットストーブを焚いて、さらにこたつまで使っていましたね」

壁の棚にたくさんのレコードが並ぶ駒形さんの仕事部屋
DJ CO-MAこと駒形さんの仕事(趣味?)部屋。
ターンテーブルを操作する駒形さんとお子さん
子どもたちは、あまりDJには興味を示さないらしい。

「いつかは自分で家を建てたい」という夢を持っていた駒形さん。そこで意を決して新築一戸建てを建てることにしました。家族構成は駒形さん夫妻、お子さん3人(9歳、7歳、4歳)、駒形さんのご両親という3世代家族。特に子どものことを考え、気密性の高い家を考えました。

暖房には温水が管を通る「PSヒーター」を採用し、常時22〜23度に保たれます。このおかげでエアコンも灯油ストーブもない家となりました。乾燥を気にしなくてもよく、エアコンの風でホコリなどが舞い上がることがなくなるなど、子どもの住環境を考えた仕様だと言います。

「自分たちがやってみたい間取りや仕様はあったのですが、気密性を高め、熱効率のいい家にすることを優先しました。雪国なので、家のなかでストーブを焚くと結露がすごい。なおかつ地球も全力で温めている。それが嫌だなと思って。農家ということもあり、自分たちの暮らしを通しても、自然環境を考えたいと思ったんです」

室内に設置されたPSヒーター
管の中を温水が通って空気をじんわり温める「PSヒーター」。

ここは南魚沼市。寒さと同時に雪対策も必須となります。雪国特有の1階部分を高く底上げした住宅は、出入りのために上り下りが発生します。それは高齢者にはきついもの。

「雪を消せる環境があれば、スロープや階段をつけなくても問題ありません。これまでだと、雪対策のために、雪囲いをしなくてなりませんでした。そうしないと雪の重みで窓が割れてしまいますから。でもそれがすごく嫌で(笑)」

しかし今の駒形家には不要です。窓はすべて3層構造。少しの雪なら大丈夫といいます。

「窓が少し奥まっていて隠れているのと、屋根に消雪装置をつけているので、屋根から雪が落ちてきて地面に積もるということが少なくなりました」

大きな一枚板のダイニングテーブルが印象的なリビング
存在感のある「神代ニレ」のテーブルなど、家具にも木をふんだんに使用して統一感のあるリビング。

外装も内装も、木がふんだんに使用されたあたたかみのある家になっています。デザインはシンプルかつモダンですが、木質空間なので、目にも心にもやわらかい。イスもマルニ木工の〈HIROSHIMA〉やハンス・J・ウェグナーのデザインによるYチェアなど、木で統一。照明はデンマークのブランド〈ルイス・ポールセン〉。どことなく北欧を感じさせます。

こうした家になったのは、建築を担当した南魚沼市の建築士、米山工務店(ヨネコー建築設計事務所)の米山克幸さんからの提案が大きいそうです。実は駒形さんの仲のいい先輩。地元を知り、お互いのこともよく理解した間柄だからこそ、駒形さんの今のライフスタイルと地域性、さらに社会性を鑑みた結果、理想的な家になりました。

「僕がDJをやっているときにライブペインティングをしたり、自分でデザインした洋服をつくったりしていたような、気が合う人です。エコハウスをたくさん手がけていて、多くの賞も受賞していますので、ほとんどおまかせしました」

気密性のこと、木であること。今すぐに子どもたちがその価値を感じることは難しいかもしれませんが、駒形さんが伝えたい思いに気がつく日がいつかくることでしょう。「自分の家はこうだったな」と。

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