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言葉の力で子どもの可能性を引き出す!
新潟市にある日本最古の保育園
〈赤沢保育園〉の、子どもたちの伸ばし方 | Page 3

2023.12.25

卒園生が保育士へ。
保育の輪が次世代につながっていく

〈赤沢保育園〉の大きな特徴のひとつが、園出身の保育士が多いことです。
現在、調理師や保育士などを含め〈赤沢保育園〉で働くスタッフは26人。そのうち6人が卒園生なのだといいます。「当時お世話になった先生が、今では頼れる先輩であり同僚」というケースもちらほら。勤続30年以上の経験豊富なベテラン保育士から新米保育士まで、年齢層の幅広さも〈赤沢保育園〉の特徴です。

「長く働いているスタッフが多いからか、卒園生が『先生に会いに来たよ』と定期的に顔を出してくれるんです。地域に根差している保育園で、卒園生と先生たちの関係性が途切れることなく続いているからこそ、保育士として戻ってきてくれるのかなと思っています」(小林さん)

2023年に新卒で入った保育士の蕗谷柊斗(ふきやしゅうと)さんもまた、「子どもの頃にお世話になった先生と一緒に働きたい」と〈赤沢保育園〉を志望してきました。

保育士の蕗谷柊斗(ふきやしゅうと)さん
1年目の蕗谷さん。「この仕事がしたい!と唯一思えた職業が保育士だった」と笑います。

「父は単身赴任で母は遅くまで働いていたので、僕はいつも祖父母に連れられて〈赤沢保育園〉に通っていました。ふたりの姉とともに、姉弟3人全員お世話になり、いつも園庭を走り回っていました。園を卒業して小学生になると、5つ下の従兄弟と遊ぶようになり、『小さい子と遊ぶのって楽しい』『自分に向いているかも』と思うようになりましたね」(蕗谷さん)

中学生になると保育士の職場体験をする機会に恵まれ、蕗谷さんは明確に「保育士になりたい」と考え始めたといいます。
ではどこで働きたいかと思ったとき、すぐに浮かんだのが〈赤沢保育園〉でした。

「大学の実習先で〈赤沢保育園〉を選ぶと、サポートしてくれたり熱心に話を聞いてくれたりする、周りの先生方の姿勢がとてもあたたかかった。この先生たちから学びたい、一緒に働きたいと思いましたね」(蕗谷さん)

子どもたち絵や工作作品が展示されている
子どもたちの作品を展示する「作品展とバザー」は、地域の方など誰もが参加できるオープンな場になっています。
作品づくりに夢中の園児たち
今年度の作品展に向けて、思い思いの作品づくりに取り組む子どもたち。

働く保護者や子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。
だからこそ、週1回の全スタッフとの職員会議は欠かさず、子どもたちの細かな状況を共有し合っているといいます。

「子どもたちの性格特性や成長スピード、食物アレルギーの有無など、ひとりひとりの理解を確認し合っていなければ、思わぬミスや事故につながってしまう。『わかっていても声をかけあう』という姿勢は徹底しています」(赤澤さん)

最近の新たな取り組みは、保護者のみなさん限定でYouTube配信をスタートしたこと。運動会の様子を動画で発信したところ、多くの反響があったので、これからは給食の様子をライブ配信するなど、新たな試みを始めていきたいと話します。

園庭で遊ぶ乳児たち
ぽかぽかの園庭で遊ぶ乳児たち。

「保護者のみなさんが、園での子どもたちの様子を感じながら安心して仕事に向かえるように、私たちも変化を続けていきたいと思っています」(赤澤さん)

創業時からの“守孤扶独”の精神を大事にしながらも、時代に合ったサポートや情報発信に力を入れている、日本最古の〈赤沢保育園〉。地域とつながり、地域に受け入れられているこの場所から、また、どんな卒園生が巣立っていくのかが楽しみになりました。

Information

赤沢保育園

web:赤沢保育園

credit | text:田中瑠子 photo:やまひらく

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