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コラム2020.08.16

佐渡金銀山の達人・石川喜美子さんと『黄金の島』を”深堀り”!?
~コメジルシくんが聞く!新潟の魅力 vol.2~

コメジルシくんが各地の『達人』に新潟の魅力を教わっていく企画『コメジルシくんが聞く!新潟の魅力』。もっとたくさんの人に新潟のいいところを知ってもらうため、コメジルシくんがいろいろな場所を訪ねていきます。

今回の『達人』は、佐渡市世界遺産推進課の石川喜美子さん。佐渡金銀山の案内人といえばこの方!と言われるほどガイド経験豊かな石川さん。実はNHK『ブラタモリ』でタモリさんをご案内したこともあるんだとか!今回はコメジルシくんと一緒に佐渡市相川地区をめぐってくれました。

石川 喜美子(いしかわ きみこ)
史跡佐渡金銀山の職員として長くガイドを勤め、佐渡金銀山の研究歴は20年以上。現在は佐渡市世界遺産推進課の指導員として、島内外のさまざまな場面で佐渡の魅力を発信している。

人の手で掘り進めた金山

「佐渡金銀山は400年の歴史があり、その見所は島の中にいくつも残っています」

そう言って石川さんがまず案内してくれたのは、佐渡金銀山ガイダンス施設『きらりうむ佐渡』)。

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「ここで佐渡金銀山の歴史を映像や展示物で見ていただいて、その後であちこち見てまわると、よりわかりやすいですよ」

2019年にオープンしたばかりの『きらりうむ佐渡』の館内には、迫力満点のプロジェクションマッピングや、のぞき窓から中を見られる展示ボード、写真撮影OKの巨大な小判の模型など、佐渡金銀山の歴史を体感できる施設がズラリ。たしかに、ここで一通り歴史を学んでから外へ足を延ばしたら、とてもわかりやすそう!

「とくに、ここから近い佐渡金山のシンボル『道遊の割戸(どうゆうのわりと)』はおすすめだよ」

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縦にぱっくりと割れた形が特徴的な『道遊の割戸』 (写真:(c)西山芳一)

「もともとは普通の山だったのに、金が発見されたことで深く深く掘り進み、とうとうあの形になったの。すべて人の手で70m以上、掘ったんだ」

江戸時代に、機械も使わずにこんなに深く鉱山を掘ったなんて驚きです。昔の方の途方もない情熱や労力が目に見えて伝わってきますね。

金銀を『選鉱』した当時最先端の工場

次に連れてきてもらったのは、物語に出てきそうな不思議な雰囲気の場所。遺跡のようですが…。

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「ここは北沢浮遊選鉱場跡。ここで、採掘した石の中から金や銀を選別していたの。昭和初期、日本で初めての技術を採用し、1ヶ月に5万トンの鉱石処理をするすごい工場があったんだよ!」

なるほど、当時の最先端技術を駆使した工場だったんですね。斜面の高低差を利用して鉱石を選別するシステムは、もともとあった段丘の地形を生かして作られたのだとか。

「この場所は撮影スポットになっていて、夜は時期によって、ライトアップをしています。とても幻想的な空間で、大好きな場所です!」

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夜の浮遊選鉱場跡はなんともロマンチック!石川さんがおすすめしてくれるのも納得です。

採掘から製造まで、金銀にまつわる仕事を担った佐渡

最後に訪れたのは、浮遊選鉱場跡のすぐ近くにある『史跡佐渡奉行所跡』。

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「江戸時代、金が採れる佐渡は徳川幕府が管理していたの。ここはその出先機関みたいな感じかな。小判も作っていたんだよ」

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奉行所の敷地内には、小判を製造していた「勝場(せりば)」を再現した建物も。

かつて金銀が採掘され、幕府の直轄地になっていた場所は全国にいくつかあります。でも、その中で金の採掘から加工、小判の製造まですべてをひとつの地域内で行っていたのは、なんと全国で佐渡だけなんだとか!日本唯一の”黄金の島”だったんですね。

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小判の製造には複雑な工程が必要とされていました。

「金の採掘から加工までを島の中でやっていたので、金銀と関わる仕事をしていた人も多かったんだ。誇りを持って、金銀山で働いていた島民の熱い思いを知って、私は佐渡が大好きになりました」

石川さんのご案内で、コメジルシくんも佐渡の魅力に夢中になったようです!教えてもらったスポットを早速Instagram(@komepro_niigata)で投稿したみたい。

『コメジルシくんが聞く!新潟の魅力』では、これからも月に一回コメジルシくんが『達人』に魅力を聞いていきます。来月もぜひお楽しみに!

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浮遊選鉱場で、石川さんと一緒に。

この記事の内容は、新潟県広報番組「週刊 県政ナビ」のテレビ放送およびその動画配信でもご覧いただけます。

【週刊 県政ナビ】2020年8月16日放送