12メートルの山の中腹にたたずむ、人気のカフェ
かつて「みなとまち」として栄えた、新潟の古町中心街より徒歩15分ほど。落ち着いた住宅街に入ると見えてくるのが、高さ12.3メートルの「日和山(ひよりやま)」です。
階段を数十段登るとすぐに山頂! というその小さな山は、隠れた登山スポット。中腹に立つカフェ〈日和山五合目 hiyoriyama coffee〉には、地元の人や観光客をともに惹きつける、癒しの空間が広がっています。
店長が探し求めた、理想のコーヒーで心落ち着く時間を
店内を案内してくれたのは、店長の野内(のうち)綾子さん。
「お店の営業は、週末限定の金曜日から日曜日までの週3日間。多様なお客様がいらっしゃいます。まち歩きの途中で休まれたり、ゆっくりと本を読みながら日々の疲れを癒されていたり。みなさま、思い思いに過ごされている様子を見ると、こんな空間がつくりたかった、とうれしい気持ちになります」
綾子さんは、昔から大のコーヒー好き。カフェを始めると決めたとき、コーヒーには必ずこだわりたいと、新潟県内はもとより、日本各地のコーヒーを飲み歩いて理想の味を探し回りました。
そして、コーヒーセミナーなどに参加して腕をみがきつつ、最終的に「これだ!」とたどりついたのが、東京・世田谷の〈堀口珈琲〉の豆を使った、「日和山ブレンド」。
ハンドドリップでていねいに淹れられたコーヒーは、酸味と苦味のバランスがとれた飲みやすい味。コーヒーが苦手な人でもおいしくいただけると、人気のメニューになっています。
そして、飲みながら店内を見回すと、壁一面に広がる木製サッシの窓からの景色に、思わず目が奪われます。山頂に立つ「住吉神社」に加えて日和山のシンボルツリー「エノキ」も臨める窓際は、綾子さんはもちろん、多くのお客様のお気に入りスポットです。
「2階はギャラリーにもなっており、新潟に関する書籍や、新潟のまちを歴史や地形目線で歩く『新潟の町 小路めぐり』の地図原版が展示されています。ウッドデッキの屋上もあるので、暖かい日は陽だまりで、日和山からの新潟のまちなみを眺めながらのんびり、なんて過ごし方もオススメです」