食卓を華やかにしてくれる、エディブルフラワー
エディブルフラワーの「エディブル(edible)」とは、「食べられる」という意味で、いわゆる食用花のことを指します。日本では菜の花や食用菊というと馴染みがあるかもしれません。特に菊を食べる文化は、新潟を含む東北や北陸地方の一部で、江戸時代には一般的になっていたそう。新潟では、鮮やかな紫色の食用菊「かきのもと」が秋の風物詩になっています。
ヨーロッパでも、色とりどりで華やかな花々を食べる文化があり、1980年代にイタリアンレストランの普及とともに日本国内でも取り入れられるようになりました。しかし、その頃はまだまだ食卓には縁遠い存在でした。
そんなエディブルフラワーを栽培し、普及活動に精を出すのが、阿賀野市にある〈脇坂園芸〉。日本エディブルフラワー協会本部を立ち上げて、生産から使い方まで、エディブルフラワー普及のために活躍されています。
彼らが手塩にかけて育てるのは、シェフを驚かせるほどの「色とりどりで生き生きとした花々」。もともと観賞用の花を手掛けてきた経験から、さまざまな花の栽培についてはお手のもので、それを安心して食べられるよう、手間ひま惜しまず育てています。
見た目にとても華やかなエディブルフラワーを口にしてみると、野菜にもそれぞれ味があるように、花によって味わいが異なります。ハーブのような風味のあるもの、シャキシャキとした食感のあるもの、ほんのり甘みを感じるものなど。食卓を彩ってくれるうえに、料理にアクセントを加えてくれる優れものです。普段の食卓はもちろん、パーティーシーンでの活躍も間違いなしですね。
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稀少な黒まいたけに、伝統調味料も
まいたけの中でも稀少な「黒まいたけ」、唐辛子の発酵香辛調味料など、食通にオススメしたい新潟産の食材をご紹介しましょう。
【 黒舞茸「真」】
新潟県はきのこの生産量が高く、なかでも「まいたけ」は市場の60%以上を占める全国1位の生産量(平成28年度・農林水産省「特用林産物生産統計調査」)を誇ります。また、天然まいたけには、白、茶、黒とあり、特に黒まいたけは高級品とされています。
その黒まいたけの栽培に挑戦し、成功したのが新潟県南魚沼市にある〈大平きのこ研究所〉。彼らのつくる〈黒舞茸「真」〉は、大きく厚みのあるカサと深い味わいが特徴で、凝縮された旨みがつまっています。菌床つくりからこだわり、長期培養をして天然に近い環境をつくることにより、香り高く歯ごたえのよいまいたけを生み出したのです。鮮度を大事にし、収穫後すぐに出荷されるため、届いた瞬間から芳醇な香りを堪能できるでしょう。
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【 かんずり 】
今回調理の隠し味に使ったのが「かんずり」。日本百名山のひとつである妙高山の麓に広がる新潟県妙高市でつくられている、発酵調味料です。
この地方に昔から伝わる製法で、唐辛子を塩漬けし、冬になると“雪さらし”という工程を経て、糀・柚子・塩を加えて発酵させます。熟成発酵期間はなんと3年。唐辛子の栽培から足掛け4年間かけてようやく完成となります。
その味わいは、真っ赤な見た目とは裏腹に、辛みの中に熟成されたコクと旨み、甘みが調和されていてなんとも奥深い。鼻から抜ける柚子の香りも爽やかです。今回のように調味料としては使うのはもちろん、薬味として鍋に添えて、またはドレッシングにちょっと加えるのもいいですね。さまざまな料理に活用できる万能調味料です。
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