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「今、心が軽い状態で子育てできています」
3姉妹のママとなった横澤夏子さんの“子育て論”

2023.12.13

「今年第3子を出産し、これからますます子育てをがんばらなければ、な私ではありますが、同時にこれからは、新潟県、そして日本中の子育てをされているママ・パパを応援していければと思っています」

そう意気込みを語り、2023年9月に「子育てに優しい新潟県」アンバサダーに就任した、新潟県糸魚川市出身のお笑いタレント、横澤夏子さん。

テレビ、Web、雑誌、イベントなど、日々さまざまなメディアでその姿を見ますが、実は3歳、2歳、0歳という、目の離せない子どもたちを抱え、育児や家事にも奮闘するママ。

はつらつとした明るさとエネルギッシュさでお茶の間をにぎわすイメージですが、自宅では家族とどのように向き合い、子どもたちの誕生によってどのように暮らしが変化したのでしょうか? 育児の楽しさ、大変さ、パートナーとの関係、新潟とのかかわり、さまざまなことをうかがいました。

頼り方・甘え方がわからなかった、初めての出産

インタビューを受ける横澤夏子さん

「ベビーシッター資格」「チャイルドマインダー資格」「リトミック講師(NPO法人日本子ども教育センター認定)」と、子どもに関わるさまざまな資格を取得している横澤さん。もともと子どもと触れあうのが大好きなのだそう。

「小学校の先生になりたいと思っていた時期もありましたし、若手の頃はベビーシッターのアルバイトもやりましたね。そういう経験や資格を取得するなかで『ママになるとこんなに忙しいし、大変なんだ』というのは、結婚前から知っていたつもりでした」

そんな覚悟を持ってのぞんだ出産と子育て。ところが、長女が誕生した2020年2月は世界中がコロナ禍に突入し、日本でも感染拡大のニュースが流れ始めた時期でした。未だかつてない自粛生活のなかでの子育ては、とにかく不安で孤独だったといいます。

「東京で出産して、初めて母子同室になったとき、赤ちゃんが全然寝てくれなくて……。看護師さんが『大丈夫?』と声をかけてくれても、頼り方がわからなくて『大丈夫です!』って答えたり。こんなことで泣いて『母親失格』って思われたらどうしようとか、すでにこんな壁にぶち当たっているところをバレたくない! と思っていたんですよね」

子育てへの不安を抱きながら退院して1か月後。新生児訪問で自宅を訪れた助産師さんが「あのとき、病院のみんなが横澤さんのことをすごく心配していて」と告白。

「それを聞いて『バレてた……! なんであのときプロに頼れなかったんだろう……』って(笑)。今でこそ、頼ったり甘えたりする力がすごく必要だなって思うんですけどね」

と、初めての出産の出来事を振り返ります。

3人目が産まれて、肩の力がぬけた

2021年には次女、2023年には三女が産まれ、3姉妹のママとなった横澤さん。それぞれの出産と子育てで、どんな気づきや変化があったのでしょうか?

「長女が産まれたときは、初めてのことばかりすぎて『どうしよう、どうしよう。子育てのこと以外何も考えられない!』みたいな感じでしたね。次女のときは、とにかく『手が足りない!』って思っていて。でも三女が産まれたとき、諦めというか『完璧になんてできないんだ』ってようやく思えたんです。だんだんズボラになっていくというか(笑)。そんな境地に至って、今は心が軽い状態で子育てできていますね」

それまでは「子どもが泣くのは自分のせい」と思い悩み、自らを追いつめていたそう。

「理想や完璧を求めて、“自分ルール”みたいなものに縛られていたんですよね。でも、できなくて当たり前、子どもは泣くのが当たり前、そんなことにやっと気づけて、肩の力がぬけたというか。3人目が産まれてきてくれて、本当によかったと思っているんです」

自身のがんばりを認めてあげることで、心にゆとりが生まれ、子どもへの愛おしさをより感じられるようになったといいます。

「本当に初めてぶつかる壁ばかりで。まだまだ知らないことがたくさんあるんだって思いましたね。それに、子育てをしていると『こういうことを両親も私にやってくれていたんだ』ということに気づいたり。親に対しての感謝をあらためて思うようになりました」

目まぐるしくも、たくさんの気づきがあったという横澤さん。それらの言葉は、多くの新米ママさんを勇気づけてくれそうです。

自分の子どもたちに伝えたいもの

お笑いタレントとして立身し、身近な人々のしぐさやクセを鋭く捉え、ユーモラスな芸に落とし込み、爆笑を誘う横澤さん。育った環境も今の活動とリンクするものが? と思いきや、お父さまは中学校の教員、お母さまは教育カウンセラーという「教育一家」で育ちました。

「父はとても厳しかったですね。地域でよく知られた存在でしたし、周囲からは『横澤先生の子ども』という視線もあって、常に真面目でいなければ……と思っていました。小・中・高はずっと生徒会長。あ、高校は副会長だったんですが(笑)」

そんなご両親が大切なものとして横澤さんに伝えてきたもののひとつが「礼儀」だといいます。

「〈吉本興業〉でも礼儀を教わりましたけど、父母からも常々その大切さを厳しく教え育てられていましたね。『ごはん中はテレビはダメだよ』『お茶碗には左手を添えて』といった基本的なマナーも」

幼い頃の学びは、横澤さん自身が親になった今、自分の子どもたちにも大切なものとして伝えているのだとか。

「親の口ぐせを、いつの間にか私も口にしていて。子どもの頃に受けた教育って、こんなにも影響するんだ〜って実感しています。でも、自分が大切だと感じたものは子どもたちにも伝えたくて。礼儀正しい子に育ってほしいです」

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