「今、心が軽い状態で子育てできています」
3姉妹のママとなった横澤夏子さんの“子育て論” | Page 2
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パートナーから、チームメイトへ。夫との関係
近年、厚生労働省による〈イクメンプロジェクト〉が発足され、男性の育休取得を推進する企業も増加。子育ては男女を問わず行うもの、という風潮になりつつあります。
取材した日、「今日は夫にみてもらっています」と明かしてくれた横澤さん。夫婦間でどのような協力体制をとっているのでしょうか? また、子どもたちの誕生により夫婦の関係性に変化はあったのでしょうか?
「夫の動きは、1人目、2人目、3人目とどんどんパワーアップしています! 長女が産まれたときは、コロナ禍で夫の仕事もリモートワークになって。『一緒にやれることをやろう』と話していたものの、私と同じように動いてほしい、みたいな考えになってしまって、夫にいろいろ言ってしまったんですよね。『私が校長先生』みたいな感じでした」
その後、次女、三女と産まれ、「自分ひとりではできない」そう思ったとき、横澤さんのなかに家族での協力体制のありかたに変化が芽生えるように。
「夫は夫なりのペースやスタイルがあって、子どもたちを楽しませていたんですよね。『あ、別の学校だし、違う教科書なんだ』って思うことができた。それからはパートナーから、チームメイトという意識になりましたね。子どもが3人もいると現実的に協力体制が必要です」
それまでは横澤さんが家を空ける際、おむつの場所、食べさせる離乳食、就寝時間などを細かく伝えていたものの、それらも全部やめたそう。
「お昼ごはんのことも何も考えずに、全部任せようと思って。『ここはこう!』っていいたいときもあるけれど、今は任せるとなったら一切口を出さないことにしています。夫も私も、それぞれの成長速度で進んでいるんですよね。そう気づいて」
“あるある”をシェアできる喜び
近年はさまざまな子育ての支援サービスが普及し、忙しいパパ・ママが働きやすい環境も整いつつあります。仕事で外出の多い横澤さんは、普段どのようなサービスを活用しているのでしょうか?
「今、上のふたりは保育園、3人目は区の待機児童専用のベビーシッターさんに預けることができて本当にありがたいです。夕方まで仕事がある日はベビーシッターさんにお願いしています。何人か登録してあって、この人がダメだったら、この人に連絡して、みたいに」
休日には近隣の児童館も活用しているという横澤さん。
「おもちゃがたくさんあったり、いろんなママさんと出会えて。お話しするのも楽しいですよね」
そんな横澤さんに、子どもが産まれたときに一番ほしかったサポートは? と尋ねると、返ってきた答えは「しゃべり相手がほしかった」でした。
「長女の1か月検診までずっと家の中で過ごしていたんですね。検診には夫と行ったんですけど、私たちと同じように赤ちゃんを抱えているパパ・ママさんが大勢いて、泣いている子どもがいて。ああ、泣くのはうちの子だけじゃないんだ、って思えたり、こういう抱っこヒモとかベビーアイテムを使っているんだ、っていうのを知れただけで、もううれしくて」
それまでの孤独感を払拭するかのように、検診会場にいるママさんにLINEアドレスを配り、大勢のママ友をゲットしたという横澤さん。
「夫に『落ち着きなよ……』ってなだめられながら(笑)。でも、あまりにも孤独すぎて、しゃべり相手、共感してくれる人、いろんな情報がほしいっていうのがあったんでしょうね。それこそ児童館に行ったら、同じようなママさんがたくさんいて、すごくうれしいんです」
また、保育園の先生とのコミュニケーションにおいては、こんな発見と喜びが。
「自分の子どもの“あるある”って、夫としか笑えないと思っていたのが、保育園の先生も知っていて。『そうそう、うちの子そういうトコありますよね!?』って一緒に笑えるのが、もうすっごいうれしくて!」
子どもの成長を願ったり、共感しあったり、喜んだりしてくれるのは家族だけじゃない。ママ友、保育園の先生、ベビーシッターさん、「子育て支援センター」などの職員、たまたま言葉を交わしたまちの人など、そんな交流があるだけで不思議と満たされるものがあると語ってくれました。