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県民ライター2022.03.31

新潟県を10の視点で取り上げた
県民ライタープロジェクトが完了!

『新潟コメジルシプロジェクト』では、新潟に暮らす県民自らが県内の気になるもの、おもしろいと思った人を取材、紹介する「新潟県民ライタープロジェクト」を2021年10月にスタート。編集部がサポートし、10名の県民ライターによる10本の記事が公開されました。

「その地域に住んでいる人は、ローカルの価値に気がついていない」。これはローカルを語る上でよく聞く話です。そういう側面もあると思いますが、必ずしもそうとは言い切れません。

最近では、多くの人が自分たちの住むエリアに誇りを持ち、魅力を発信する活動を行なっています。それらはローカルに住む人だからこそ気がつく小さな情報であったり、リアルな課題感が含まれる切り口であったりします。

そこで今回10名の新潟県民ライターに企画出しから取材、執筆まで、一連の記事制作を担当してもらいました。参加してくれたのは大学生から社会人まで、住んでいる地域もさまざまで、メディア経験がある人もまったくの未経験者もいます。それでもどの記事も共通して、自身の身近なことがらや暮らしのなかから導き出されたものになっています。


以下に、公開されたすべてのタイトルと簡単な内容を紹介します(掲載順)。

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#01 やりがいや喜びは自分で作る 日本初の米農家直営キッチンカー「う米家」店主に学ぶ「農家の働き方改革」(新潟市)
齋藤華

自らが通っていたキッチンカーに興味を持って取材。そこで見えたのは、東京からUターンした米農家が奮闘する姿です。農業での苦労、さらに事業を展開していく〈う米家〉に、楽しんで仕事を生み出す姿を見つけました。

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#02 現代のライフスタイルに合わせ屏風から組子細工へ。生き残りをかけた小さな工場の変革(加茂市)
長谷川円香

屏風の産地であった加茂市で、需要が減少していくなか、時代の変化を捉え、技術を横展開することで進化を遂げている会社を取材。その目線は、加茂市の地域活性にも向いていました。

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#03 アートが子どもの成長を刺激する。生まれ変わった廃校で地域と芸術をつなぐゆいぽーとの取り組み(新潟市)
藤岡恭平

青少年活動の場と、創作活動の場が融合した〈ゆいぽーと〉という施設に注目。一見、関係ないように思えるこのふたつが、この施設を介してどう融合しているのか。それを探ると、まちをかき混ぜる姿が見えてきました。

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#04 昔ながらの朝市と変化し続ける朝市。今の時代こそ訪れたくなる魅力(新潟市)
篠崎万智子

新潟大学の学生であった筆者が、近所でありながら大学周辺の雰囲気とは異なる、昔ながらの朝市を発見してレポート。朝市が持っている魅力とともに課題も炙り出し、対比するように新しいかたちの朝市も追加取材しています。

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#05 新潟でやりがいを持って働く。自分らしい働き方を見つめ、辿り着いたイラストレーター・ヤマシタナツミさん(新潟市)
ネルマエ文庫

筆者があるとき出合った、働き方を考える展示。その内容に興味を持ち、主催者のヤマシタナツミさんにインタビューを敢行しました。彼女の仕事の変遷を辿りながら、新潟で働くことについて考えました。

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#06 長者温泉ゆとり館で感じた、幸せな移住のために大切なこと(糸魚川市)
髙橋典子

新潟県の北の端、村上市で宿を営む筆者が、南の端、糸魚川市の〈ゆとり館〉に泊まった体験を中心に書かれています。遠く離れた地でありながら、近い感性で宿を運営する2者により、これからの宿の姿を探っています。

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#07 五泉ニットを観光コンテンツに! 五泉市で持続性のある産地のあり方を探して(五泉市)
水澤陽介

全国的にも有名なニットの産地である五泉市が、その産業自体を観光コンテンツにしているという話を、自身の体験も踏まえて取材しています。消費されない観光の姿は、他地域にも参考になる話となっています。

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#08 青豆、小麦づくりのつながりで変わりゆく農業。未来へ伝える農家のプレゼント(柏崎市)
山谷一芳

東京から柏崎市へとUターンした〈鈴屋商店〉店主が、家業を継ぐなかで、農家へと進んでいくストーリー。さまざまな業界と協力して、新しい商品をつくっていく流れが書かれ、本人の力強い人間性が表現されています。

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#09 祝い唄「天神ばやし」の起源に迫る。地域差で異なる歌詞の謎(小千谷市・十日町市)
太刀川剛

飲み会で唄われるという「天神ばやし」。まさに筆者が体験し、抱いた疑問が記事の起点になっています。取材を進めるにあたって、ルーツを調べる難しさにぶつかりましたが、その地に住んでいるからこそ見ることのできる視点になっています。

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#10 十日町から世界へ。絹生活研究所が生み出したシルクを超えるシルクのちから(十日町市)
西脇千珠

着物加工会社の〈きものブレイン〉が、着物産業の衰退とともに、新しいブランドを始めた経緯が丁寧に書かれています。最後は十日町の未来の姿を想像する内容にまとまっています。


記事の作成過程で、なぜそのネタを取り上げたいと思ったのか? あなたはそのネタの何が一番気になっているのか? この2点を編集部からは強く意識してもらいました。そこに新潟らしさが隠れていると思ったからです。

「新潟らしさ」「新潟の魅力発信」とひとくちに言っても、個性を見つけ出すのは簡単ではありません。ローカルに暮らすみなさんの視点で気になっているものにこそ、新潟の個性や魅力が内包されているはずだと信じています。それを取材や文章作成のプロセスのなかで見つけ出してもらうことが、今回の大きな目的でもありました。

ぜひ「10の視点による新潟」をご覧ください。どれもまぎれもなく新潟の個性です。この取り組みを通して、県民ライターのみなさんが地域を見直すきっかけになり、これからの地域の魅力発信の活動につながれば幸いです。
さらに新潟県民の読者のみなさんも同様に、これらの記事を読んで、今一度、新潟の魅力を考えてみるきっかけになってほしいと願っています。

※すべての記事を1冊の冊子としてまとめました。PDFでもご覧いただけます。
『県民ライターが行く、わたしの新潟』