ヨーロッパではポピュラーな「食用ほおずき」、
おいしくて栄養抜群だなんて知ってました?
江戸っ子の夏の風物詩として知られる「ほおずき」が、食用として栽培されていることをご存じでしょうか。ヨーロッパでは比較的ポピュラーで、市場などでも見られる食用ほおずき。美容と健康にいいと評判で、国内でも栄養価の高いスーパーフードとして注目されつつあります。
「ゴールデンベリー」「ストロベリートマト」という名前なら聞いたことがある方もいるはず。そんな食用ほおずきの栽培に挑戦し、地域の活性化につなげようと奮闘している会社が、新潟県妙高市にあります。
ほおずき栽培のきっかけは、雪国ならではの雪害調査だった
新潟県の南西部、上越地方に位置する妙高市。長野県に接しており、豪雪地帯としても有名です。そんな妙高市で食用ほおずきが栽培されているという情報をキャッチ。
農家や野菜農園で育てられているのだろうと想像していましたが、今回おじゃました〈有限会社アサップ〉は、雪崩などの雪氷災害の調査や防災コンサルタントを本来の事業としている会社。なぜ、食用ほおずきの栽培を……?
「雪害の調査で農家さんや地元の方と関わっていくうちに、この地域が抱えている土地の問題を知りました。新潟は米の生産が盛んなため、平地農業用に整備された土地がほとんどだと思っていたのですが、調べてみるとまったく違った。特にこの上越地方は中山間地域が多いんです」と語る代表の小川克昌さん。
平地と違って中山間地域では、大型の農業用機械などを入れることが難しく、農業に手間がかかるとされています。また、高齢化も進み、担い手も減ってきています。
「何か地域の力になれることはないか?と、考えていたところ、植物工場などで野菜がつくられていることを知り、ヒントを得ました。うちは土地を持っているわけではないし、米づくりは機械の導入など初期投資に膨大な費用がかかる。でも、ビニールハウスを利用して、植物工場のように管理できる水耕栽培なら自分たちの技術を生かせるし、できる範囲から始められるんじゃないかって」
まったく畑違いの農業をスタートさせるきっかけは、地域での農業を守りたいという思いだったのですね。