大注目の食用ほおずき。妙高の特産になる日も近い!?
生食できる食用ほおずきは見た目が華やかで香りも豊か、栄養だって抜群! どんな料理にも取り入れやすいのでトレンドに敏感なフードスタイリストや、料理研究家からも注目されているって知っていましたか?
実際に食用ほおずきを食べてみると、その繊細な味に驚かされました。糖度は14~16度、リンゴやイチゴとほぼ同じで、香りがよく甘さと酸味のバランスもいい。かすかな苦味が後味を引き締めてくれるので、生のままサラダに使ったり、肉料理のソースにしても合いそうです。
「食用ほおずきをつくりたいと思ったのは、この香りが気に入ったからなんです」と、小川さん。食用ほおずきの香りには、ピーチアルデヒドという成分が含まれているのだそう。桃のような、ココナッツのようなやさしい香りが特徴です。
「最近では、地元レストランのシェフが気に入って料理に使ってくれたりしているんですよ。ただ、収穫の量や時期、味わえる期間の問題があるので、地域の食品加工メーカーに協力してもらって加工品も企画しています。まずはどんなかたちでも食べてもらって、食用ほおずきの味や香りを多くの人に知ってもらえたらいいなと思います」
食用ほおずきの青果と加工品は、地元の道の駅や〈有限会社アサップ〉のオンラインストア〈MINNA DE HOZUKI〉で購入することができます。2019年中には妙高市のふるさと納税返礼品として扱われる予定。
「これまでの数年で新規事業としてのスタートダッシュは、うまくいったように感じています。あとは生産量をもっと増やしていくことが課題。来年からは自社でも露地栽培をしていくので、これまで農家さんからいただいたアドバイスを生かしながらシステムを構築して、きちんと利益がでるかたちをつくっていきたいですね」と、小川さん。
さらに食用ほおずき事業が成長したら「UターンやIターンで移住してくる人たちが新規就農者として食用ほおずきをつくってくれるかもしれない」と、小川さんは期待しています。
「新潟の農業は米」というイメージがどうしても強いなか、地元ではこのように独自の視点で、新しい農業を始める人たちがいました。食用ほおずきが妙高の特産品になる日もそう遠くないかもしれません。
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credit text:石丸奈央人 photo:中田洋介