新潟のつかいかた

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〈Ichi-Rin 苺稟〉の
ドライいちごで
女性ひとりでもできる
農業ビジネスを目指して Posted | 2019/06/03

新潟のブランドいちご〈越後姫〉を全国に広め続ける女性農家

新潟県を代表する農作物のひとつ〈越後姫〉。生で食べるのが当たり前だった越後姫をドライいちごとして加工・販売し、さらに女性ひとりでも農業ができるビジネスモデルを立ち上げようと奮闘する女性農家が、新潟県新発田市にいます。

越後姫の生産者・若杉智代子さん

専業主婦から一転、いちご栽培から加工、販売、販促まで自身で行う女性農家の、就農からブランド化に至るまでの経緯を教えてもらいました。

農業のことも、越後姫栽培のことも、
まったくの素人

新発田城址公園をはじめ、まちの随所に城下町としての面影を残す新潟県新発田市。江戸と新発田を結ぶ旧会津街道の宿場町として栄え、今なお古いまち並みと豊かな自然が残る米倉地域で、若杉智代子さんは越後姫の栽培をしています。

きれいに赤く熟した越後姫
「可憐でみずみずしい、新潟のお姫様のようだ」という意味で命名された新潟県のブランドいちごです。

若杉さんが越後姫栽培を始めたのは今から6年前の42歳のとき。ご主人と一緒に3年ほどハワイで生活し、帰国後は新発田市でパートタイマーとして働いていたそう。実家が米農家とはいえ、自分が農業に携わるなんて想像もしていなかったと言います。

若杉さんのビニールハウス
山々に囲まれた自然あふれる田園地帯に建つ若杉さんのビニールハウス。
新発田市の田園風景
加治川が潤す肥沃な越後平野が広がる新発田市。コシヒカリやアスパラガスも有名です。

「最初に越後姫栽培を始めようとしたのは父なんです。『稲作中心の米倉地域にも施設園芸が必要だ』と。しかし、準備を進めている最中、父は体調を崩してしまい……、私に白羽の矢が立ちました。ふたりの子どももいるし、農業のことも越後姫のことも私はまったくの素人なので、最初は固辞しました。でも、父の強い想いと、ビニールハウス用の建設資材がどんどん届くのを目の当たりにして……、決心しました」

栽培ハウス内で若杉智代子さんにインタビュー
いちご農家を始めても、家庭や育児との両立は絶対に守りたかったそう。

「本当に不安しかなかったんですよ。でも、ハウスは建つし、待ったなしで……。当初、ビニールハウス2棟でスタートする予定だったんですが、さすがに2棟は管理しきれないから1棟で始めさせてくれるようお願いしたんです」

広大なハウスには1800株ほどの越後姫が
広大なハウスには1800株ほどの越後姫が植えられています。

翻訳家をしているご主人からの「やっていいよ」というひと言と、農業以外にご主人の定収があることも、大きかったのだとか。

心を決めた若杉さんは、新潟県が主催する越後姫栽培技術確立研修に参加しながら、周囲の先輩農家さんや農協の担当者、県の普及指導員などの協力を仰ぎ、手探りで越後姫栽培をスタート。そして、なんと栽培1年目にして「新潟県施設園芸立毛品評会」で全国野菜園芸技術研究会優秀賞を受賞。この受賞が、越後姫栽培を続けていく大きな励みになったようです。

手摘み作業

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