鳥屋野潟で〈天寿園〉の庭園を回遊。
市民プロジェクトにも足を延ばそう
水辺の風景を体験したいなら、前回の〈水と土の芸術祭2015〉でも会場となった「鳥屋野潟(とやのがた)エリア」にも足を延ばしてみましょう。かつて新潟には76もの「潟」があり、ハスが浮かび魚がとれるなど恵みの湖だったといいますが、やがて干拓され、開発された結果、現在では16まで減ったそうです。
市内でも大きな鳥屋野潟のほど近くにある、中国庭園と日本庭園が調和した国内では珍しい庭園〈天寿園〉では、折元立身さんの写真作品を展示。1980年のニューヨークから、ロンドン、アムステルダム、ミラノなど世界を放浪した証として、スニーカーを履いた足元と路上を写した写真群です。
中国・上海出身、9歳で青森に移住した潘逸舟(ハン・イシュ)さんは、自らのアイデンティティーを追求し、体の水と環境の水が循環するようなイメージを託した映像作品を発表。「足ツボ」を刺激する作品も踏みしめてみましょう。
また、これまでの芸術祭でも盛り上がりを見せていた市民プロジェクトが、今年も各地で沸き起こっています。友政麻理子さんを招いて、人から借りて返しそびれているものなど「貸し借り」を縁としたエピソードを集めたアートプロジェクトを行う「よろっとなすベースキャンプ」など、アーティストを招聘して市民が主体となって行うプロジェクトもいくつか。
地域の新しい食やものづくり、祭りなどをつくるほか、相撲甚句や相撲のリズムを音楽にするワークショップ、ペンキ絵のライブペインティング、「銭湯」をテーマとしたプロジェクトなど、市民が自分たちの「やりたいこと」をかたちにしていくユニークなプロジェクトがたくさん。
ほかにも、ここで紹介しきれなかった作品がまだまだあります。新潟市の風土や文化、まちをまるごと楽しめる芸術祭に、ぜひ足を運んでみて!
Information
Information
credit text:白坂由里 photo:ただ(ゆかい)