新潟のつかいかた

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新潟の粟島を巡る2日目
本来の自分を取り戻せ
粟島時間でリセット | Page 2 Posted | 2018/08/24

粟島で利用したレンタサイクル

粟島時間が全身で感じられるレンタサイクル

粟島は車なら40分、自転車で3時間もあれば1周できてしまう小さな島です。集落の近くは平地ですが、島の北や南へ行くにしたがい急勾配な道になるので、島1周を考えているならレンタサイクルは電動アシスト付きがいいでしょう。わたしはあまり体力に覚えがあるほうではないので、内浦をのんびりお散歩サイクリングすることにしました。

サイクリング中に出会った粟島の人たち
海水浴を楽しむ家族

この日はとにかく天気がよく、急いでいるわけではないのに、風が抜けるたびに汗が落ちます。目の前に延びる道をただ追うように漕いでいると、汗と一緒に「あれやらなくちゃ」などといった計画や、ちょっとした悩みなどがどんどん揮発していきます。

次第に意識は、目の前の青い海だけに。ずいぶん身軽な気持ちになっていることに気がつき、もしかして、「粟島時間」ってこういうことかもしれないと思いました。

味のある売店
味のある売店を発見しピットイン!
狭い路地を通過中
海藻を天日干しする島のおばあちゃん
大きな木の横も自転車で通過

建物の影に気持ちよさそうな竹のベンチが。若い女性とおばあが談笑しています。女性の名前は青柳花子さん。ここに暮らす移住者で〈おむすびのいえ〉という島唯一のゲストハウスを運営しているそうです。

〈おむすびのいえ〉という島唯一のゲストハウスを運営している青柳花子さん(右)
ゲストハウス〈おむすびのいえ〉の玄関

「ゲストハウスには宿泊客だけでなく、集落のおじいやおばあがフラッと立ち寄って、たくさんお話ししていってくれます。ここに暮らす前のわたしなら、仕事モードがオンで、こんなふうに訪れてくれるおばあとゆっくり話をする余裕がなかったかもしれません。生活の中に仕事が馴染んでいるいまの暮らし方。ここにはオンとオフだけではないゆるやかな時間が流れているんです」と語ってくれました。

通りかかった顔なじみさんと会話する青柳さん
島の方言でお母さんを「んっぽん」、お父さんを「あや」というのだと教えてくれた。「んっぽん」とは、漁師のお父さんが留守の間に畑で「ジャガイモをつくるひと」という意味もあるのだとか。

Information

【粟島観光案内所(レンタサイクル)】

address:新潟県岩船郡粟島浦村日ノ見山1419

tel:0254-55-2146

access:粟島港目の前

営業時間:8:30〜17:00

web:粟島観光協会

Information

【おむすびのいえ】

address:新潟県岩船郡粟島浦村142-1

tel:0254-55-2525

access:粟島港より南へ徒歩5分

check-in:10:00〜

check-out:9:00

web:粟島ゲストハウス おむすびのいえ

ランチはカフェで「そそど」時間を過ごす

カフェそそどと直売所ばっけ屋
〈カフェそそど〉のとなりには粟島産を中心に扱うお土産屋さん〈直売所ばっけ屋〉(ばっけ、は島の方言でたくさん、という意味)も。

ランチは港近くの〈カフェそそど〉でいただくことに。オーナーシェフの世良健一さんも移住者で、自然豊かな環境で子育てがしたかったとのこと。食を大切にする気持ちはメニューにも表れていて、粟島の特産品を生かした料理がいただけます。一番人気はフィッシュカレー。野菜もきちんと素揚げするなどひと手間かけてありました。

カフェそそどの店内。モスグリーンの壁と高い天井
店内に入ると、モスグリーンの壁と高い天井に、ナチュラルなストローベイルの土壁が印象的。
オーナーシェフの世良健一さん
オーナーシェフの世良健一さん。

「シーフードは季節によって多少変わりますが、ブリが多いです。ブリの香りや脂に合うスパイスは、かなり試行錯誤を重ねた自信作。たまに貝やタコを入れることもありますよ」

カフェそそどのフィッシュカレー
一番人気のフィッシュカレー。
夏限定メニューの冷や汁定食
夏限定メニューの冷や汁定食も、実は粟島伝統の畑仕事弁当とのこと。弁当箱である曲げわっぱに水を入れ、味噌をといて食べていたらしい。(わっぱ煮と似ている)

島で捕れるサバは「小サバ」といわれる少し小さなもので、輸送して本土の市場に出しても採算がとれないため、ほとんど島で消費されるそう。小さくても脂の旨みは成魚顔負けで、なによりやわらかくなめらかな舌ざわりの身に驚きました。小サバ、本当においしいです。

畑での特産品はジャガイモ。これを使ったコロッケも人気メニューのひとつだそう。デザートには「粟島塩チョコアイスクリーム」の文字を発見。粟島でお塩をつくっているなんて話は聞いたことがありません。

「実は、塩は僕がつくっているんです。冬になるとストーブを焚くのですが、乾燥を防ぐためにいつも水を入れたやかんを乗せていて、ふと、これで塩がつくれるのではないかと思ってやってみたんですよね。鍋に海水を入れて、ストーブにかけて、水分が蒸発すると塩分が結晶化していきます。それを濾して、水気を飛ばし塩の完成。たくさんの量ができるわけではないので、なにかメニューに生かせないかと考えたのがこの塩チョコアイスです」

粟島塩チョコアイスクリーム
「今日みたいに暑い日に食べると、格段においしいですよ」と世良さん。

カカオ濃いめのチョコレートの甘みを、粟島の塩が引き出していく。心までゆったりくつろぐおいしさです。そういえば、店名の「そそど」ってどういう意味なのでしょう。

「島の言葉で、“ゆっくり、のんびり”という意味です」

滋味深いメニューの数々に、身も心も“そそど”できました。

Information

【カフェ そそど】

address:新潟県岩船郡粟島浦村字日ノ見山1513-10

tel:0254-55-2800

access:粟島港より徒歩1分

営業時間:11:30~15:30(14:30 L.O.)、18:00~21:00(20:30 L.O.) ※季節により変動あり

Information

【直売所 ばっけ屋】

address:新潟県岩船郡粟島浦村 字日ノ見山1513-10

tel:0254-55-2130

access:粟島港より徒歩1分

営業時間:4月末~10月末頃 8:00~17:00

定休日:期間中は無休

web:直売所 ばっけ屋|粟島観光協会

海を見下ろしながらの乗馬体験でリラックス

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