加茂市近隣の職人と協業しながらつくられる、オーダーメイドのボーダーシャツ
新潟県のほぼ中央に位置し、古くから“北越の小京都”と呼ばれている加茂市。近隣の五泉市や見附市と同じくニットをはじめ繊維産業が古くから盛んな地域でもあります。そんな加茂市に、ちょっと……いや、かなりユニークなファクトリーブランドがあるのをご存知でしょうか?
つくられているのは完全受注生産のボーダーシャツのみ。ボディのパターンデザイン、ボーダーの幅、袖丈、ボーダーの色を自由に組み合わせられて、注文が入ってからピュアオーガニックコットン100%の生地を編み立てるという生産スタイル。その後の生地加工は近隣の工場で行い、本拠地であるデザインラボがあるのは加茂駅前の商店街という地域密着型。なんとも好奇心をくすぐられる要素いっぱいのファクトリーブランドが〈G.F.G.S.〉です。
オンラインショップを中心に、北は北海道から南は熊本まで、全国津々浦々のショップで開催される〈ORDER BORDER TOUR〉という受注会でもオーダーを受け付けています。ファッションブランドのみならず、漫画家・江口寿史さん、デザイン集団〈groovisions〉などとのコラボレーションを展開したり、2018年6月に開催された〈ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)〉主催の『生活のたのしみ展』にも出展しています。このように全国から注目され、常に注文が絶えない人気ブランドなので、〈G.F.G.S.〉の名前を目にしたことがある人もいるかもしれません。
受注生産の洋服と聞くと、高級ブランドのスーツやシャツを思い浮かべがちですが、〈G.F.G.S.〉がつくるのはボーダーシャツという、大量生産が当たり前とされているデイリーウェア。相反するオーダーメイドとデイリーウェアをなぜ組み合わせたのか、〈G.F.G.S.〉の社長である小栁雄一郎さんに尋ねると「最初から受注生産をしようと考えていたんですよ」という答えが。その背景には、小栁さんのつくり手としてのある想いがありました。
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ものづくりを目指して 】