新潟のつかいかた

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日本酒だけじゃない!
自宅で味わいたい
“新潟産”のクラフトビール | Page 3 Posted | 2018/08/24

日本初の瓶内発酵を実現【ニイガタビール】

国内初となる“瓶内発酵”に成功したのが〈新潟麦酒株式会社〉。「熟成ビールを気軽に」がコンセプトのブルワリーです。

日本初の瓶内発酵を実現【ニイガタビール】

1997年創業の同社は、翌年の1998年に国内初となる“瓶内発酵”による製造方法で醸造免許を取得しました。創業者の宇佐美健さんは脱サラしてビールづくりを始めたという異色の経歴の持ち主。新潟大学卒業後、製薬会社に勤めていた宇佐美さんは「大手メーカーのビールは味が同じ。自分でつくればいろいろな味のビールができるのでは」と思い立ち、会社を立ち上げました。

“瓶内発酵”による製造方法は、ドイツやベルギーなどで古くから行なわれている製法。宇佐美さんは「瓶内で自然発酵した熟成ビールを気軽に飲んでもらいたい」とスタートし、現在もそのスタンスを変えず、本物の熟成ビールをつくり続けています。

左から、〈ヨーロピアン・ケルシュ〉〈ゴールデン・ケルシュ〉〈ブラック〉
左から、〈ヨーロピアン・ケルシュ〉(310ミリリットル・希望小売価格 税込334円)、〈ゴールデン・ケルシュ〉(310ミリリットル・希望小売価格 税込372円)、〈ブラック〉(310ミリリットル・希望小売価格 税込340円)。

ドイツ・ケルン地方でつくられている伝統的なビール「ケルシュ」を元にしている〈ヨーロピアン・ケルシュ〉は、濃い小麦色でフルーティーな香りが漂います。上品な酸味と軽やかな口当たりが特徴です。〈ゴールデン・ケルシュ〉は、ヨーロピアン・ケルシュをベースに熟成を重ねてつくった琥珀色のビール。8パーセントというビールにしては高アルコール度数ですが、爽やかな甘い香りと酵母のふくよかな風味で、とても飲みやすく仕上がっています。そして、エール(上面発酵)スタイルの〈ブラック〉は、ローストされた深いモルトのコクがありつつ、すっきりした後味です。

なお、〈新潟麦酒株式会社〉のビールは瓶内で熟成が進むため、ワインのように刻々と味わいが変化するものもあるそう。同じ銘柄でも飲む時期によってコクが増していくので、フレッシュな味わいが好みの方は、購入してすぐに飲むのがおすすめ。宇佐美さんは「1~2年寝かせるのが好き」だとか。

左から、〈ヨーロピアン・ケルシュ〉〈ゴールデン・ケルシュ〉〈ブラック〉
今まで200種類以上ものビールを醸造し、どれも個性的で高品質。

〈新潟麦酒株式会社〉は、耕作放置地を借り受けて大麦を栽培する農業にも取り組み、ビールを仕込める量が収穫できた年は、自社農園の大麦で商品をつくるそうです。ほかにも農場を所持し、ビールに使用した麦芽で牛を育てたり、2019年にはレストランのオープンを予定していたりと、〈新潟麦酒株式会社〉の挑戦は今なお続いています。

Information

【新潟麦酒株式会社】

address:新潟県新潟市西蒲区越前浜5120

tel:0256-70-2200

web:新潟麦酒株式会社

“新潟産”のクラフトビールで楽しいひと時を

新潟生まれのお酒編は、いかがでしたか? 新潟県のブルワリーは、それぞれが自分たちの味を追求し、つくり手が想いを込めて丁寧につくっています。新潟地ビールの歴史をもっと知りたい方はこちらをご覧ください。
「新潟文化物語 味わう!新潟のクラフトビール」

普段の食事はもちろん、仲間との集いや大切な人との時間、お祝いの席でもぜひ“新潟産”でカンパイを! 個性豊かな新潟クラフトビールの魅力を味わってみてはいかがでしょうか。

新潟産クラフトビール

credit photo:minokamo food:山村真由美 
text:長谷川梨紗(くらしさ)、山村真由美、長谷川浩史(くらしさ)