新潟のつかいかた

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世界の関心は
「もの」から「ものづくりの現場」へ。
工場をひらく金属加工のまち・燕三条 | Page 3 Posted | 2025/12/26

海外から見ても、
日本のものづくりは「ひとつの美徳」

イベント後半には、県全域で製作されている工芸品などの展示・紹介、高度熟練技能者の認定制度「にいがた県央マイスター」にも話題が及び、たっぷりと新潟のものづくりの技と心に触れた海外メディア各社。

日野浦さん、山田さん、武田さんに積極的に話しかけるなど、諸外国が燕三条とそのものづくりにさらなる関心を抱いた様子が見られました。

打ち上げ花火や鬼瓦、手ぬぐいや包丁など新潟県でつくられる工芸品が展示されている
越後本染注染手拭、安田瓦鬼瓦、大久保鋳物、加茂屏風、小千谷紬など、新潟県全域で製作されている工芸品なども展示。

韓国メディアの特派員は、「職人さんの実演を目の当たりにして感動しましたし、もっと燕三条のものづくりを見てみたいと思いました。韓国ではステンレスの箸、皿、器などを日常的に使いますが、日本のようなハンドメイドの製品は少ない。燕三条の技あるものづくりを知れば、興味を持つ韓国人は多いと思います」と語りました。

取材にこたえる韓国メディア特派員
日本に来て2年くらいという、韓国メディアの特派員。

また、アメリカメディアの記者は、「日本の包丁は、特に男性のコレクションとして人気があります。こうしたものを手がける職人に対して尊敬の念を抱くと同時に、多様な製品をハンドメイドで丁寧につくることが日本のひとつの美徳だと感じました。文化、伝統、ものづくり、さまざまなものが融合し、重なり合って、日本の良さをつくりだしている印象を受けました」とコメントしました。

コメント中のアメリカからの記者
日本に駐在し、グローバルインテリジェンスの視点でさまざまな執筆活動を行うアメリカのフリーランス記者。

イベント最後には、新潟の食の魅力を発信するイタリアンレストラン〈THE NIIGATA Bit GINZA 銀座店〉から、燕三条の食材を中心としたワンプレート料理がふるまわれました。食材だけでなく、お皿も、器も、フォークやナイフといったカトラリーもすべて、メイド・イン・新潟!

これらの料理とのペアリングがおすすめの日本酒、新潟の雪室で熟成させたコーヒー、燕三条にちなんだ“鉄パウダー”入りの焼き菓子など、目も舌も楽しい食のひとときに、海外メディアのみなさんも満足気。トーク、実演、食と、新潟の魅力を存分に感じてもらえた1日となりました。

イベントで提供されたワンプレート料理
左から反時計回りに、ヤスダヨーグルトのソースと新潟産イチジクのサラダ、三条下田豚の炭火焼、真鯛のグリル、新潟産小麦のフォカッチャ、新潟〈ikka〉かぼちゃのポタージュ。
鉄パウダーを混ぜ込んだカヌレが木皿に並ぶ
金属加工のまちをイメージし、食べられる鉄パウダーを混ぜ込んだカヌレも登場。

日本製プロダクトの品質の高さは、今や世界中で知られていること。そうした製品が、どこで、どんな職人によって、どのように製作されているのか。Page1でご紹介した台湾での展示会の反響もしかり、海外の関心はそうしたところへ向き始めているのが感じられます。

燕三条はそんなものづくりの背景に触れられる場所。品質が認められ、金属加工製品の輸出の隆盛を極めた同エリアは、実際に現場を目の当たりにできる「ものづくりの聖地」へとシフトし始めています。「日本を代表する国際産業観光都市」――燕三条が国内外でそう評価される日も遠くないかもしれません。

Information

【燕三条 工場の祭典】
工場の祭典についてはコチラから

Information

【株式会社玉川堂】
address:新潟県燕市中央通り2丁目2-21
tel:0256-62-2015
営業時間:8:30〜17:30(日曜、祝日は休業)
工場見学時間:10:00〜、11:00〜、13:00〜、14:00〜、15:10〜
web:無形文化財 鎚起銅器「玉川堂」
見学をご希望の場合は、事前にお電話でお問い合わせください

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【日野浦刃物工房】
address:新潟県三条市塚野目1-9-15
tel:0256-38-0051
web:日野浦刃物工房

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【FACTORY FRONT】
address:新潟県燕市東太田14-3
tel:0256-46-8720(株式会社MGNET)
営業時間:11:00~18:00(火・水曜定休)
web:FACTORY FRONT

credit text:林貴代子 photo:黒川ひろみ