海外から見ても、
日本のものづくりは「ひとつの美徳」
イベント後半には、県全域で製作されている工芸品などの展示・紹介、高度熟練技能者の認定制度「にいがた県央マイスター」にも話題が及び、たっぷりと新潟のものづくりの技と心に触れた海外メディア各社。
日野浦さん、山田さん、武田さんに積極的に話しかけるなど、諸外国が燕三条とそのものづくりにさらなる関心を抱いた様子が見られました。

韓国メディアの特派員は、「職人さんの実演を目の当たりにして感動しましたし、もっと燕三条のものづくりを見てみたいと思いました。韓国ではステンレスの箸、皿、器などを日常的に使いますが、日本のようなハンドメイドの製品は少ない。燕三条の技あるものづくりを知れば、興味を持つ韓国人は多いと思います」と語りました。

また、アメリカメディアの記者は、「日本の包丁は、特に男性のコレクションとして人気があります。こうしたものを手がける職人に対して尊敬の念を抱くと同時に、多様な製品をハンドメイドで丁寧につくることが日本のひとつの美徳だと感じました。文化、伝統、ものづくり、さまざまなものが融合し、重なり合って、日本の良さをつくりだしている印象を受けました」とコメントしました。

イベント最後には、新潟の食の魅力を発信するイタリアンレストラン〈THE NIIGATA Bit GINZA 銀座店〉から、燕三条の食材を中心としたワンプレート料理がふるまわれました。食材だけでなく、お皿も、器も、フォークやナイフといったカトラリーもすべて、メイド・イン・新潟!
これらの料理とのペアリングがおすすめの日本酒、新潟の雪室で熟成させたコーヒー、燕三条にちなんだ“鉄パウダー”入りの焼き菓子など、目も舌も楽しい食のひとときに、海外メディアのみなさんも満足気。トーク、実演、食と、新潟の魅力を存分に感じてもらえた1日となりました。


日本製プロダクトの品質の高さは、今や世界中で知られていること。そうした製品が、どこで、どんな職人によって、どのように製作されているのか。Page1でご紹介した台湾での展示会の反響もしかり、海外の関心はそうしたところへ向き始めているのが感じられます。
燕三条はそんなものづくりの背景に触れられる場所。品質が認められ、金属加工製品の輸出の隆盛を極めた同エリアは、実際に現場を目の当たりにできる「ものづくりの聖地」へとシフトし始めています。「日本を代表する国際産業観光都市」――燕三条が国内外でそう評価される日も遠くないかもしれません。
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【燕三条 工場の祭典】
工場の祭典についてはコチラから
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credit text:林貴代子 photo:黒川ひろみ

