新潟のつかいかた

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世界中でファン激増中!
ワールドワイドな「錦鯉」は
人懐っこい、癒しのペット!? Posted | 2019/03/22

日本人が知らない、「錦鯉」の今

鯉は英語で「carp」ですが、実はもうひとつ、日本語の読み方そのままに「koi」と呼ばれています。しかも「koi」は「錦鯉」を指す世界共通語。

一方「carp」が「食用鯉」などを指す言葉だというのは、日本ではあまり知られていないかもしれません。

新潟県を発祥とする「錦鯉・koi」は、今や世界中に輸出され、多くの愛好家に愛玩されています。むしろ、日本人よりも外国人のほうが錦鯉に親しみ、ポピュラーなペットとして定着しているのだとか!

「昭和三色」と「紅白」
「昭和三色」と「紅白」と呼ばれる品種の錦鯉。

裕福な家の風雅な庭園に泳ぐ、鮮やかな魚――日本では、そんなイメージが先行しがちですが、実は日本人がほとんど知らない、驚くべき錦鯉の世界が存在していました。

錦鯉は、黒い真鯉と同じ魚?

錦鯉の発祥は、かつて二十村郷(にじゅうむらごう)と呼ばれた、新潟県の小千谷市の東部、長岡市の山古志、川口町辺りといわれています。

急峻な山の斜面に棚田をつくり、米を育てていた二十村郷。豪雪地帯であるここでは、雪で閉ざされる冬の備蓄食料として、水田に水を溜め、養鯉を行っていたそう。

錦鯉を養殖する棚池
長岡にある、錦鯉を養殖する棚池。

養殖していたのは黒い真鯉でしたが、なかには色のついた美しい鯉が突然変異で生まれることがあり、一部の農家がそのまま飼育したり、同様の鯉と掛け合わせをしていくなかで、鮮やかな色をまとった錦鯉として確立されるようになりました。

意外にも錦鯉の歴史は浅く、突然変異の鯉が誕生したのは文化・文政の頃。さらに、錦鯉(当時は「変鯉」「色鯉」と呼ばれていた)の存在を全国に知らしめたのは、大正3年に開催された〈東京大正博覧会〉だというから、全国的に認知され始めて、まだ100年程度しか経っていません。(※錦鯉の誕生には諸説あります)

棚池から錦鯉を引き上げる
棚池で大きく育てられた錦鯉。

その後、錦鯉発祥の地として、養鯉を一大産業に発展させた新潟県。かの田中角栄も錦鯉の愛好家で、和の美を表現する日本的アイテムとして、積極的に海外での交渉や贈呈品として活用していたのだとか。

また、平成29年には、新潟県を象徴するシンボルの一つとして「県の鑑賞魚」として制定されました。(一般的には「観賞魚」と表記しますが、錦鯉が美術的な価値があるという意味を含め、あえて「鑑賞」の文字を使用しているとのこと)

錦鯉の池上げ

中国、香港、台湾などのアジア圏、シンガポールやマレーシアのほか、アメリカやヨーロッパなど、世界約50か国で多くのファンを持つ錦鯉。

外国では、どんなふうに錦鯉を楽しんでいるかというと、自宅の池やプールに錦鯉を放ち、直接手から餌を与えたり、優雅に泳ぐ姿を眺めながらワインを飲んだり。特に神経を使う職業の方に人気のようで、錦鯉を眺めることが日々の癒しになっているそう。なかには一緒にプールで泳ぐという人も!?

世界中の錦鯉ファン
長岡の養鯉場に集まった、世界中の錦鯉ファン。
「昭和三色」と「紅白」

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