新潟のつかいかた

series-shingatabito-012-ec

さつまいも愛が止まらない!
小千谷市
〈さつまいも農カフェ きらら〉
代表・新谷梨恵子さん Posted | 2023/11/15

得意の“営業&販売力”を武器に独立

新潟県の中南部・長岡市からほど近い、自然豊かでのどかなまち、小千谷(おぢや)市。ここで、さつまいもをまちの特産品にしようと奮闘している女性がいます。農家カフェを営みながら、農家の6次産業化をサポートしている新谷(あらや)梨恵子さんです。

日本はいま、さつまいも第4次ブームまっただなかといわれていますが、新谷さんが、さつまいもの魅力に開眼したのは、このブームよりずっと前のこと。

「15歳のときですね。さつまいものかわいさに気づいてしまったんです(笑)」

さつまいも畑の前に立つ新谷梨恵子さん
まちの中心を信濃川が流れる自然豊かな小千谷市。〈魚沼産コシヒカリ〉の産地のひとつでもあります。さつまいもは多少はつくられていたものの有名ではなかった小千谷市が、新谷さんの行動をきっかけに少しずつ変わりつつあります。

以来、“さつまいも愛”は高まるばかり。旅先ではその土地で栽培されたさつまいもを探し、家ではさつまいも料理を考える日々。さらに専門的に学ぶため、東京農業大学に進学。卒業後、結婚を機に小千谷市にやってきました。ちなみに結婚式はさつまいも畑で挙げたそうです。

「夫は大学時代の先輩。農家の息子だと勝手に思い込み、さつまいもを栽培できると、喜んで嫁いだのですが、実は農家じゃなかったんです(笑)」

新谷さんがつけていたピアスとバンダナ
ピアスやバンダナもさつまいもがモチーフ。

そこで地元の農業法人に就農します。本格的に農業にいそしむ傍ら、さつまいもを使った商品開発にも挑戦。そして2015年、10年ほど勤めた会社を退職し、独立することに。〈農プロデュース リッツ〉を立ち上げます。

「もともと独立するつもりはありませんでしたが、自分のやりたいことを追求していくうちに、おのずとこのかたちになりました。さつまいもが主軸であることは変わりませんが、農家さんがもっと安心して働ける環境をつくれないかと思ったんです。

例えば、商品にならない規格外野菜をどうするのか。破棄せず、自分たちで加工して、販売できれば理想的ですが、農家さんは加工や販売のプロではありません。私は営業や販売が得意なので、それを武器に、地域の野菜がうまく売れる仕組みをつくりたいと思うようになりました」

さつまいもとツルでデコレーションしたシーリングライト
「焼きイモソフトクリーム」

次のページ:さつまいもスイーツの
イチオシは…?


次のページへ →